ジャンゴ 繋がれざる者(Django Unchained) 2013年3月17日 丸の内ピカデリー1 例によってクエンティン・タランティーノのオマージュ映画なのだが、奴隷問題なんかも扱っていて骨太なところも見せている。 演技のいいところは悪役側に持っていかせている感じ。レオナルド・ディカプリオとサミュエル・L・ジャクソンに、とことん演りたいようにやらせている。これは役者としては敵役に回ったとしても、おいしいだろう。 対する主人公側もいい演技をしている。ジャンゴ役にジェイミー・フォックス。そしてジャンゴと行動を共にする賞金稼ぎシュルツにクリストフ・ヴォルツ。 でも、クリストフ・ヴォルツの役柄は、あまりにいい人になりすぎてないか? マカロニ・ウエスタンだったら、ありえないだろ。このへんがタランティーノの白人側からの謝罪の意味でもあるのだろうか? 冒頭で、賞金首の顔を知っているジャンゴを助け出すというのはわかる。でも、用が済んだらもうお払い箱だろ、普通。どんなにジャンゴが射撃の名手であろうと、黒人を連れ歩くなんて、この時代、足手まとい以外の何者でもない。 それにジャンゴが奴隷の立場にいながら拳銃の名手というのも、ありえない。天性の才能があったということなんだろうけど、どんなもんかなぁ。まあ、成長物語を語っていく暇はないということなんだろうけど。 ふたりの約束で、一冬荒稼ぎをしたらジャンゴの別れ別れになった妻を救出に行くと約束したとしても、シュルツはほんとに行くかねぇ。そのへんが、いい人過ぎるんだなぁ。しかも、この先はネタバレになるから書かないけど、そういう展開になるかなぁ。それこそありえないんだけど。 そしてラストの二回の銃撃戦。まあ、マカロニ・ウエスタンへのオマージュだから、ジャンゴがありえないほど強いのはいいのだけど、この二回目、相手が弱すぎちゃってかわいそう。 とかなんとか文句ばかり出てきそうだが、面白かったことは確かで、また観たい。 3月18日記 静かなお喋り 3月17日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |