道化死てるぜ!(Stitches) 2013年11月1日 ヒューマントラストシネマ渋谷 “シッチェス映画祭”ファンタスティック・セレクション2013、6本目。これですべて観たことになる。 アイルランド映画。ピエロが出てくるホラーといえばスティーヴン・キングの『IT』だが、こちらはコメディ・タッチのスプラッター映画。 子供の誕生日に、子供の仲間たちを呼んで、子供たちだけの誕生会を開く。子供たちを楽しませようと、ピエロを呼ぶのだが、親は子供たちには干渉せずピエロにまかせっきり。このピエロ自身が、ダメな奴ではあるのだけれど、子供たちも相当な悪ガキぞろい。ピエロが手品やジャグリングを見せてくれているというのに、おとなしくしていないで邪魔ばかりする。挙句の果てはイタズラが過ぎて、ピエロはちょっとした事故で死んでしまう。 6年後、高校生になった悪ガキどもはまた、家でパーティを開く。そのとき墓からピエロが甦り、自分を殺したガキどもに復讐するという話。かなりスプラッターで、殺しの手口が、ひとりひとりもうグチャグチャな殺し方をしていく。でもそれが笑いを狙ったスプラッターで、「うえー」と思いながらも笑ってしまう。 ピエロの鼻は着脱自在で、赤くて真ん丸な鼻を取ると、鼻だけが独立して、ピョンピョン跳ねて偵察に行ったりする。するとそこに猫がいて、面白がってジャレたり。それに怒ったピエロが「猫は九つの命があるんだってな」と猫を掴んで九回叩き付けるシーンには大笑い。ちなみにこの猫はもろにぬいぐるみ。 自転車で逃げる主人公たちを、三輪車で追いかけるシーンにも笑った。サーカスでもピエロは三輪車だもんね。この際だから玉乗りでもして追いかけて欲しかったな(笑)。 落語の『死神』には、人間の生命の蝋燭が並んでいるところが出てくるが、この映画には、ピエロは死んでからもタマゴの形で生きているという設定が出てくる。このタマゴを壊してしまえばピエロは死ぬというわけで、タマゴがある地下室での闘いがクライマックスになるわけだが、ここでも笑えるアイデアがある。未見の方はお楽しみに。 11月2日記 静かなお喋り 11月1日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |