潜望鏡を上げろ(Down Periscope) 2013年12月9日 三日月座BaseKOMシネマ倶楽部 1996年作品。 日本公開当時のタイトルが『潜望鏡を上げろ』。これがDVD化されたときに『イン・ザ・ネイビー』に変わった。 これはどうも1959年の『潜望鏡を上げろ』と混同されるのを恐れての事かもしれない。実際、1959年の『潜望鏡を上げろ』の原題は Up Periscope で、この1996年の映画は、Down Periscope。つまり本来は、潜望鏡を下げろ。どうもタイトルからして1959年作品のパロディ。タイトルだけで1959年の真面目な(?)戦争映画のつもりで買った客が、これを観て怒り出さないとも限らない。なにせこっちは基本はおふざけなんだから。 そして劇場公開のときには、まさか『潜望鏡を下げろ』では客が来ないと思ったんだろうし・・・。しかし、こんな映画が公開されたなんて、私の記憶に無いところをみると、ひっそりと公開されて終わってしまったのだろう。 DVDの『イン・ザ・ネイビー』というタイトルは、エンド・クレジットでビレッジ・ピープルが、In the Navy を歌っていることから付けられたらしい。 冴えない潜水艦指揮官ドッジ(ケルシー・グラマー)に、ようやく艦長の任務が与えられる。原子力潜水艦だろうと思って勇んで行ってみると、ディーゼル・エンジンのポンコツ。しかも乗組員も全員クズみたいのばっかり。与えられた任務は、模擬演習とでもいうもので、最新鋭の原子力潜水艦が警備する海域を抜けて、港に作られた演習用の船を沈められたら合格というもの。 ところがどうもこの演習は仕組まれたものという臭いがプンプンする。相手の原潜の艦長役はウィリアム・H・メイシー。この映画のあとで『ファーゴ』に出て、自分の妻を誘拐させるあのクルマのディーラー役を演った人。その上司の提督がブルース・ダーン。面白い役者を使っている。 そして私にとっては大好きなあのハリー・ディーン・スタントンがディーゼル・エンジンのスペシャリストの機関士役というのもうれしい。クレジットも上の方だ。 電気技師役のトビー・ハスも印象的だし、なんと女性乗組員役としてジム・キャリーの奥さんだったローレン・ホリー。このころ一番脂が乗ってた。 この映画で一番おいしいところを持って行ったのはソナー係のハーランド・ウィリアムス。この芸達者のおかげでこの作戦は成功しちゃったと同時に映画としても成功したんだから。 なにしろこの映画は、戦争ではなくてゲームであるところがいい。誰も死ぬわけではないし、こちらもゲームなんだからと楽しんで観られる。戦争映画の悲壮感はまったく無い。本物の戦争だったら、こんなにオチャラケられなかったろう。 これは拾い物だった。こういうの意外と知らないで眠ってるんだよなぁ。 12月10日記 静かなお喋り 12月9日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |