風雲電影院

ガンズ・アンド・ストレンジャー(El Gringo)

2014年2月25日
ヒューマントラストシネマ渋谷

 <未体験ゾーンの映画たち2014>で鑑賞。観る前は「西部劇かな?」と思っていたら現代劇で、観て見たら、こりゃ、骨格は西部劇。それもマカロニ・ウエスタンってな作品。

 大きなバッグを担いだ男(スコット・アドキンス)がメキシコのある町にやってくる。大きなバッグの中身は、マカロニ・ウエスタンのパターンだと、なにかとんでもない武器か、あるいは大金。この映画の場合は大金のパターン。喉がカラカラなのだが、町の公共水道は赤さびた泥水しか出てこない。どこに行っても誰も水を飲ませてくれないし、ミネラル・ウォーターを買い求めようとしても、よそ者には売ってくれない。バーに入って水を注文しても100ドル札を何枚も巻き上げられる。

 町全体の住民が、よそ者に冷たい。町から出る公共交通手段は、一日一本のバスだけ。それに乗って町をでようとするが、バス発着所のばあさんも意地悪でウソばかりしか言わず、その日のバスを乗りはぐれてしまう。

 町には、コソ泥のネエちゃんがいて、男のバッグを隙あらば横取りしようと狙っている。男はここに来る前に助けた犬を連れているのだが、この犬が恩知らずで、まるで役に立たない。ついにバッグを盗まれてしまう。そして、バッグを取り返そうと追いかけるうちにバッグが開き、このバッグには大金が詰まっているんだと言う志事実が町中に知れ渡ってしまう。この町は町ぐるみの無法者集団。しかも保安官までグル。男は、手に手に銃を持った、町中の男たちから狙われることになる。

 もう、それからは大銃撃戦。たったひとりで無数の敵と闘うことになる。一日一便のバスに間に合うようにしなければならないのだが、敵もそれを見越しているわけで、ほとんど勝ち目無し。

 そして、いよいよクレスチャン・スレーター登場。これが敵なのか味方なのかは、書かないでおくことに。

 こんな形で上映されて、即DVDとは勿体無い位面白かった。メキシコの田舎町を舞台にしているのといい、町全体が無法者の巣になっているのといい、こりゃもうマカロニ・ウエスタンだよ。拳銃だけでなく、重火器、手榴弾、ランチャー砲まで出てくるから、ロバート・ロドリゲスともいえるが、あんなに洗練されてない。もっと泥臭さがある。

 それにしても、先日観た『なんちゃって家族』といい、メキシコって好きなように野蛮な国にされちゃってるね(笑)。

2月27日記

静かなお喋り 2月25日

静かなお喋り

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