風雲電影院

フロム・ダスク・ティル・ドーン(From Dusk Till Dawn)

2013年4月1日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部

 1996年作品。封切り時、映画館で一度観たが、内容をほとんど忘れていた。

 クエンティン・タランティーノが脚本を書いて、ロバート・ロドリゲスが監督している。タランティーノ自身も出演しているから、かなり現場でタランティーノの意見が取り入れられているような気がする。特にメキシコに入る前の部分は、いかにもタランティーノ臭い感じ。上映時間108分だが、これ、タランティーノに撮らせたら確実に2時間を遥かに超えてしまっただろう。ただし後半のアクションはもうロドリゲス調の何でもあり状態。

 タランティーノの役は、かなりアブナイ人物で、こういうの演りたかったんだろうなぁ。自分で脚本書いているんだから、もうプラン出来てたんだろうし。ジョージ・クルーニーが主演だが、前半部は完全に食っちゃってる。

 辻褄が合わなかったり、人物の行動が理解できなかったり、設定がいい加減だったりと、脚本の出来はひどいものだと思うが、そんなことどうでもいいくらいの面白さに溢れていて退屈しない。ポップコーンかポテトチップスにコーラといったジャンク・スナックでも食べながら観るのに最適。映画館で観るよりホームパーティーでもしながら数人でゲタゲタ笑いながら観た方がいいかもしれない。

 もっともかなりお下劣だから、子供が一緒はまずいし、女性も顔を背けるシーンもある。チーチ・マリンが三役で出ているが極め付けはナイトクラブの呼び込み。プッシーを連呼する。「白人のプッシー、黒人のプッシー、スペイン人のプッシー、アジア人のプッシー・・・」と延々と続くのには、めまいがしてきた。字幕でもプッシーになっているが日本語だったら露骨に過ぎるかも。もっともあまりにプッシー、プッシーが続くので笑ってしまうのだが。

 このナイトクラブには、スリー・ピースのバンドが出ている。イメージとしては、サントラでも使われている、Z・Z・トップを想定しているらしい。三人とも長いヒゲを生やしているわけではないけれど。音楽と言えば、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの曲も使われている。Mary Had a Little Lamb と Willie The Wimp 。レイ・ヴォーンは1990年に35歳でヘリコプター事故で死んでいるから、この映画のときにはもうこの世にいなかったのだが。

 ヴァンパイアものだが、怖くない。先週観た『ブレイド』は1998年だから、こっちの方が2年早い。もう古いタイプのヴァンパイアがこのころから姿を消し始めていた。時代に合わなくなっていたのかもしれない。

4月2日記

静かなお喋り 4月1日

静かなお喋り

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