ゴールドフィンガー(Goldfinger) 2012年12月10日 三日月座BaseKOMシネマ倶楽部 1964年作品。このあとの『サンダーボール作戦』は、いとこに当たるおねえさんにロードショウに連れて行ってもらった記憶がある。『サンダーボール作戦』は、今年やはり、退院直後、三日月座でも観ていて『静かなお喋り』の1月23日に書いている。 『ゴールドフィンガー』は、そのあと、三本立ての映画館で観たんだと思う。 映画の序盤でゴールドフィンガーを裏切った女を金粉を全身に塗りたくって殺すというシーンがあって、それが話題になっていた。皮膚呼吸ができなくなって死に至るのだと言われていたが、別にそんなことはないのだと知ったのは、それからかなりあとのこと。 それよりも、全裸の女性を見たいという気持ちと、そのうしろめたさで、親には黙ってこっそりと観に行った。思春期のガキだった私でありました。それで、「きれいだなあ」と思った。これは今観ても、きれいだと思う。 それよりも、当時感じていたことは、「なんで金粉を塗って殺すの?」ということであり、「金かかって、もったいないじゃん」だった。 この裏切った女、ゴールドフィンガーのためにイカサマの手伝いをしていたわけだが、ジェームス・ボンドを一目見ただけでフラフラになってしまう。今から考えるとほとんどバカな尻軽女。今の若い女性が観たらどう思うんだろう。いや、今の若い女性じゃなくても、当時の女性たちはどんな気持ちでこの映画を観ていたことなのやら。 とはいえ、『サンダーボール作戦』と『ゴールドフィンガー』を観た私は、ガキだというのにジェームス・ボンド・シリーズの翻訳本を片っ端から読んで行っていた。 この映画で出てきたアストンマーチンにも痺れたが、当時一番関心が行ったのは、ゴールドフィンガーとジェームス・ボンドが飲むカクテル。あれがやけにおいしそうに見えたものだった。ずーっとのちになってから、あれがミント・ジュレップというカクテルだと知った。「あまり甘くしないで」とボンドが言うシーンがある。バーボンがベースでミントの葉をすり潰し、砂糖を入れ、ミネラルウォーターやソーダで割るわけだから、確かにあまり甘くしない方がおいしいでしょうね。 実は、入院中にテレビを点けたら、『ゴールドフィンガー』が日本語吹き替え版で偶然放映されていて、途中から観始めて、さらに途中で検査に呼び出されて、中途半端な見方しかできなかったので、今回の上映はホントにうれしかった。 それで、テレビで観られなかったクライマックス。ボンドが小型原爆に繋がれて、なんとか起爆装置を止めようとするシーン。あらあら、ボンドはコードをまとめて引き千切っちゃうんだね。これはこの時代だからできたようなもので、のちに『ジャガーノート』の時代から、もっと起爆装置が巧妙になって、赤のコードを切るか、青のコードを切るかなんてことになる。まだ無茶なことができたアクション映画には平和な時代でした。 12月11日記 静かなお喋り 12月10日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |