風雲電影院

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム(Sherlock Holmes : A Game Of Shadows)

2013年1月4日
DVD

 ガイ・リッチー監督のシリーズ二作目。映画館で観そこなってDVD。前作と乗りは変わらず。でもどうなんだろう。原作が好きな人は、中には「なんだこりゃ」と思う人も多いかもしれない。

 シャーロック・ホームズねぇ。小学生のとき、子供向けの本で、よく読みましたっけ。それだけでは物足らずに、中学生になるころには文庫本で全部読んで、やっぱり元のものの方が面白いやと思った。子供向けに書き直されたものには、ホームズがコカイン中毒であるといった描写がカットされていて、文庫本の方で読んでいると、なんだか「いけないもの」を読んでいるという感じがして、自分が大人の世界に首を突っ込みつつあるという気になったものだった。

 小説のホームズは、事件が無くて退屈するとコカインに溺れるわけだが、ガイ・リッチー版のホームズはまったく退屈していない様子。自分から事件に顔を突っ込んで行って、頭脳よりも身体を張ってる感じ。

 今またシャーロック・ホームズを読み直したいとはまったく思わないけれど、それはきっとホームズって人柄が今となっては鼻持ちならなくて嫌だということにも関係しているのだと思う。そこへいくとロバート・ダウニー・ジュニアのホームズはお茶目で好感が持てる。この辺もいわゆるシャーロッキアンたちからは異論が出そうだが。

 ようするに、小説の世界のホームズを期待すると失望するだろうし、それ以上にガイ・リッチーの作風に乗れるか乗れないかで、好き嫌いは左右されそう。なにしろ『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』や『スナッチ』を撮った癖の強い人だからねぇ。私は両方好きでDVDも買ってしまったから、こういう撮り方好きなんだけど。

 この二作目は、いよいよモリアーティ教授登場で、私は前作よりも好き。ちなみにインターネットを見ていると、ラストでホームズが生きていたというのにびっくりしている人が多いのだけど、原作ではホームズがモリアーティと滝から落ちてしまうのは有名でしょ。『最後の事件』のあと、『シャーロック・ホームズの帰還』で戻ってくるんだから。今の人は読んでないのかなぁ。

 それと、マイクロフト・ホームズが出てきたのはうれしかった。でも原作ではあんなイメージだったかなぁ。ウハハハハ。

1月5日記

静かなお喋り 1月4日

静かなお喋り

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