燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘(Gallants 打擂台) 2013年1月8日 シネマート六本木 これはねぇ、もう、『燃えよ!ドラゴン』のあと、うじゃうじゃ日本に入ってきた香港カンフー映画に夢中になった人なら、涙無くしては観れない映画でしょうねぇ。私など、香港映画が好きとは言っているけれど、さすがにそのころのカンフー映画って、しょーもないのも結構混じってて、途中で観なくなっちゃった方だから、あまり偉そうなことは言えないのだけど。それでも、思わず「いいなあ」という気持ちになって、古いカンフー映画をもう一度観直してみようかと思った。 なんというか、往年のカンフー映画と、そのキャスト、スタッフへの尊敬の念が現れている感じが伝わってくる。それもいわゆる代表作へのものじゃなくて、あの時代に出てきたB級カンフー映画への、流行りの言葉でいうと、オマージュというかレジェンドというか、そんな気持ちが溢れているって感じ。 基本は、これ、『ドラゴン 怒りの鉄拳』あたりがベースになっているのかなぁ。よくあった道場対立ものを、ちょっと捻った感じ。音楽も『怒りの鉄拳』に似ている感じだし、明らかに『燃えよ!ドラゴン』の旋律を頂いているようなのもある。すごくチープな音なの。アハハ。 チープなのは音だけじゃなくて、映画の色彩も、わざとトーンを落としているんじゃないかというカラーだし、チープなギャグがあちこち挟まるのも懐かしい。『E.T.』のパロディもどきなんて、今頃誰もやらないでしょ。 年を取ったブルース・リャン、チェン・クァンタイが元気な姿を見せてくれているのだけど、それぞれ、足と腕に問題があって、昔のようには闘えないという設定。ブルース・リャンは、すっかり身体の線が崩れてしまって、とても鍛え上げた肉体とは言えなくなっているのだけど、それでも身体は結構動く。 泣かせるのが、名台詞。 「強い拳を打てるより、強い拳で打たれたときに、前に出る勇気が大事だ」というのには、グッときたなぁ。 それでも負けちゃうんだけどね。 もうひとつ、 「闘わなければ負けない。しかし闘うなら必ず勝て」も胸に沁みる。 でもほとんど負けてる。 でもさぁ、年取ってたり、相手の実力が段違いだったら、勝てないんだよね、やっぱり。そういう苦さも残して映画は終わってしまう。 それでも、観終ったあとに、妙に清々しい気持ちになるのはなぜなんだろう。 1月9日記 静かなお喋り 1月8日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |