風雲電影院

キックアス/ジャスティス・フォーエバー(Kick-Ass2)

2014年6月15日
早稲田松竹

 一作目を観たのは、いつだったろう? もうすっかり忘れてしまった。内容も、うろ覚え。なんか、フツーの男の子が、スーパーヒーローに憧れて、コスチュームを着けて街に出て行って、別に世界征服を企むとかってレベルじゃない、これまたフツーのチンピラなんかと闘うってな話じゃなかったっけ。それに、とんでもなく強い女の子ヒットガールが現れて、なんだかそっちに見せ場を持って行かれちゃうと。それでもなんだか青春映画としても良く出来ていて、そこそこ楽しんだって記憶だけはある。

 それで、この2作目、それほど観たいとは思わないまま気が付いたら終わっていた。どうでもいいやと思いながらも、早稲田松竹で2本立てで上映しているのを知って、ここなら安いし、眼圧も安定してきたことだし、ならと思って観に行った。

 映画の中でも月日は経過していて、主人公のキックアスことデイヴも以前より年齢も上がり、そして何より腕力も強くなっている。片や、ヒットガールことミンディ。デイヴからコンビにならないかと誘われ、「ロビン役じゃ、嫌よ」と、あくまで自分の方が上だとばかりの態度。前作でもこのミンディ役のクロエ・グレース・モレッツ、可愛かったが、大人っぽくなってどことなく色気も出てきて、う〜ん、美少女って得ですな。保護者から、もういい加減、ヒーローの真似事は止めなさいと言われて、学校でブイブイ言わせている女の子のチームに入ったのはいいのだけれど、これがとんだミンディに対するイジメ目的。おお、といえば、クロエの前作『キャリー』リメイク版を思い出すではないか。これがイジメだとわかったとき、『キャリー』では超能力が爆発したのであるが、こちらはあくまで、自分の鍛え上げられた肉体で復讐を果たす。かっこいい〜。

 やっぱりフツーの女の子には戻れないわとばかり、またヒットガールに戻るミンディだが、コンビになろうと誘ってあっさり振られちまったデイヴはというと・・・。スーパーヒーローならひとりで闘えばいいだろろうに、仲間を欲しがるんだねぇ〜。スターズ・アンド・ストライプス大佐(ジム・キャリー)の自警団ジャスティス・フォーエバーとコンタクトを取る。そうかと思うと、前作つながりでレッド・ミストはマザーファッカーと名乗る大悪党になる決心を固め、悪人を集める。かくて最後はジャスティス・フォーエバーとマザーファッカー一味との対決になる・・・って、何これ。なんか、前作でスーパー・ヒーローごっこしていたお気楽映画が、なんだかマジな方向に向かって行ってるんじゃないの? それで、な〜んとなく右翼チックな思想も感じられるようで、これってヤバくない? 最後はスーパー・ヒーローごっこ仲間大同団結ですか。『アベンジャーズ』じゃないんだからさ。ヒーローは孤独の方が似合うよ。集団化するのはヤバいと思うんだけどなぁ〜。

6月17日記

静かなお喋り 6月15日

静かなお喋り

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