ル・アーヴルの靴磨き 2018年1月26日 ユーロスペース 見落としていたアキ・カウリスマキ作品。新作『希望のかなた』公開の連動企画でのリバイバル上映で観ることができた。 フランスの港町ル・アーヴル。靴磨きをしているマルセルはアフリカ難民の密航者の少年イドリッサを家に匿う。集団密航事件を捜査している警視モネはマルセルを疑っている。そんな折り、マルセルの妻アルレッティは不治の病で入院してしまう。 イドリッサには別れ別れになった母がイギリスにいて、母の元へと行きたいととマルセルに告白する。マルセルはなんとか少年をイギリスに送り届けたいと画策を始める。 観ていて、なんとなく去年観た『ダンケルク』を思い出しちゃった。ル・アーヴルってノルマンディーの近くなんだね。『ダンケルク』でドーバー海峡を渡って民間の船がイギリス兵を救助に行くところが思い出されてね。。ドーバー海峡って、泳いで渡る人もいるくらいだから、それほど離れていない。そこをマルセルは密航船を使ってイギリスに送り届けてやる・・・って、どことなく『ダンケルク』にも通じるところありません? なんかね〜、今回のアキ・カウリスマキ、難民がテーマってこともあって、最後は明るく終わらせようとしたのだろうか。少年もうまいこといくし、警視は見て見ぬふりをするとか、不治の病だった妻は奇跡的に治ってしまうは(いったい病名はなんだったかも不明)、まるで古〜い映画のハッピーエンドを観ているみたい。 古いといえば撮り方も相変わらず一本調子で、とても現代の映画作家とは思えないのだけど、音楽には異様に現代を取り入れる人で、今回もいろんなブルースがバックで流れていたりする。 もうこれだけのために入れたとしか思えないのが、ル・アーヴルの地元のロックバンドらしい、Little Bob Story の演奏シーン。これがほかの場面から明らかに浮いているんだけど、凄くカッコいい演奏。これが観られただけでもよかった。 1月27日記 静かなお喋り 1月26日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |