クリミナル・アフェア 魔警(That Demom Within 魔警) 2015年2月17日 シネマート六本木 つい先日、『激戦 ハート・オブ゜・ファイト』を観たばかりのダンテ・ラム監督作品。胸に傷を抱えた登場人物を描くのが大好きな監督さん(笑)。今回も凄い。というか、こんなの撮ってしまっていいのかというくらいの、超弩級の過去を抱えてしまった男の物語。その真相と言うのは、ほとんど最後のところまで観て初めてわかるようになっているから、ネタバラシしてしまっては、いかに何でもという感じなので書かないでおきます。 その男の名はデイブ・ウォン(ダニエル・ウー)。警察官なのだが、精神に障害を抱えていて配属先で問題ばかり起こす。そのために部署をたらい回しにされたあげく、今は病院内の派出所に勤務している。へえー、香港ってそんなところに派出所を置いたりするんだ。派出所と言ったって簡単なブースがあるだけ。ほとんどインフォメーションセンターみたいなものだから、ちょっとくらい変な行動を起こす奴だって、そんなところに配属すれば問題は無いと判断されてしまったのかもしれない。 そこへ武装強盗団のひとりホン(ニック・チョン)が逃亡の途中で負傷を負い、自力でこの病院へやってくる。ホンは出血多量状態な上、血液型が珍しい。たまたまデイブの血液型と一致したので輸血に協力する。う〜ん、どのくらいの規模の病院かわからないが、血液センターから血液を輸送しないとならないという設定だとすれば、「30分以内に血液が必要です」という台詞は強引とはいえ納得させるにはうまい。まあ、細かいことはいいか。それでホンが負傷したと気付いた警官隊が病院に探しに来たら、ホンはデイブから血液を貰って助かったと知って大激怒。って、この展開はいかに何でも、いかがなものか。犯罪者でも命は助けなくちゃいけないんじゃないの? そのあとにまた武装強盗団は凶行を続ける。高速道路上での銃撃シーンは迫力あり。その現場でデイブとホンは再会するのだが、ホンは一度デイブに命を助けられた借りを返すためにホンを撃たずに逃げる。このときに炎に包まれる同僚を目撃しながら何もできないで固まってしまうデイブ。どうやら彼には火に対する恐怖心があるらしいというのが、このときからわかってくるのだが、なにか過去のトラウマかなんかだろうと思っていると・・・それがラストで明かされる真相というのが・・・アレなんだもんなぁ。これはキツイ。 『激戦 ハート・オブ・ファイト』が不幸人間三連発だったわりには、出来過ぎのハッピー・エンドだったのに対し、こちらは救いが無い。過ぎ去ってしまった過去というのは、もういまさら変えようがないという辛いお話でした。 2月18日記 静かなお喋り 2月17日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |