風雲電影院

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(Only Lovers Left Alive)

2014年5月16日
早稲田松竹

 ジム・ジャームッシュの映画は、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ダウン・バイ・ロー』『ミステリー・トレイン』『ナイト・オン・ザ・プラネット』といった初期のものしか観ていない。それほど嫌いじゃなかったし、あのころはむしろ積極的に観に行っていた。ストーリーどうこうというより、登場人物たちのお喋りが面白かったし、音楽の使い方も好きだった。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で、スクリーミング・ジェイ・ホーキンスの I Put a Spell On You が流れたときはゾクゾクしてきたし、『ダウン・バイ・ロー』の「猫を振り回す広さも無い Not enough room to swing a cat」はこのときに憶えたんだし。

 『ナイト・オン・ザ・プラネット』が1991年の作品だから、もう20年以上、ジム・ジャームッシュを観てなかったことになる。もうこの手の映画観てるのも眠くなっちゃうって生活でしたからねぇ。で、久し振りに観てみようかと思って名画座落ちで観たのだけど、いやぁ、退屈。アダムとイヴという吸血鬼カップルの話なんだけど、もともとジム・ジャームッシュの映画って、暇そうな人間ばかりが出てくるってのが多くて、忙しい日常を過ごしていた私にとっては、「なんだ、こいつら」という感情しか持てないでいた。それが今度は吸血鬼カップル。何百年も人間の血を吸って生きているやつら。それでも人間を襲うことはしないで、献血した輸血用血液を手に入れて生きている。って、でもそれだって人間にとっては大迷惑。職業は一応音楽家らしくて、ヴィンテージもののエレキギターを収集してたりして、なんとも優雅な生活。しかも、なんとも気怠いの。きわめてだらけた生活してて、腹立ってくるわ。もっともキビキビ働いている吸血鬼なんていないだろうけど。こんなの2時間越えで見せられ続けているうちに、どんどん眠くなってきて、そのうちうんざりしてきたところで、イヴの妹が、ある事件が起こしたことで、ふたりはモロッコに逃げるわけだけど、そのラストシーンでまた腹が立ってしまった。おい、結局お前らもそうなるんじゃないか!

5月17日記

静かなお喋り 5月16日

静かなお喋り

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