風雲電影院

レッド・ステイト(Red State)

2013年5月10日
WOWOW放映録画

 何の予備知識も無く観始めた。

 田舎町の高校生男三人が、出会い系サイトで知り合ったという女性のところに会いに行く。ヤラせてくれると聞いて、もう頭の中はセックスの事でいっぱい。女性はトレーラー・ハウスに住んでいて、三人にビールをご馳走してくれる。ところがこのビールには睡眠薬が入っていて三人とも意識を失ってしまう。
 次に気が付いたときには三人は縛られていて、どこかの教会の中にいる。ここは親族を中心にしたカルト教集団で、同性愛者を嫌悪している。三人は一方的に同性愛者だということにされてしまう。ほかにも捕らわれている男がいて、ラップでぐるぐる巻きで息ができないようにされ、最後は射殺されてしまう。かなり異様な世界だ。
 高校生三人のうちふたりはラップを巻かれて身動きが取れない状態にいるのだが、かなりグロな手段を使って身体を自由にする。さあ、これから捕らわれた高校生の脱出劇になるんだなと思える展開。『悪魔のいけにえ』(The Texas Chain Saw Massacre)の男版になりそうだなという予感。
 ところが、そこに武装した警察がやってくる。と、カルト教側は大量の武器を隠し持っていて、警察側と銃撃戦が始まってしまう。このシーンが凄い。弾が容赦なく撃ち込まれてきて、その迫力たるやすさまじい。
 隙をついて逃げ出した高校生のひとりを警察側が誤って射殺してしまったことから、警察側ももうその事実をもみ消すために皆殺しにしようとする。

 「これ、なんなんだ?」と言う感じ。笑うに笑えない、まさに「なんだこりゃ」という展開に唖然としているうちに事態は収束し、警察の査問委員会のシーンがあって、映画は終わってしまった。

 気味が悪いので調べてみたら、この映画は実際にあったブランチ・ダビディアン事件を元にして作られた映画なのだそうだ。事件があったのは1993年。日本でオウム真理教地下鉄サリン事件のあった二年前。そうか、そういう映画だったのかぁ。そういう旨の事を日本の観客にもわかるように最初にテロップでも入っていれば、見方はちょっと変わったかもしれないのだが、突然観始めて「なんじゃこりゃ」感になったのも面白かった。

5月11日記

静かなお喋り 5月10日

静かなお喋り

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