風雲電影院

明るい離婚計画(Serving Sara)

2012年11月12日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部にて

 2002年作品。初見。

 アメリカン・コメディというのは、どちらかというと苦手なジャンルで、あまり積極的に観に行かないから、観ていないものも多い。特に恋愛がらみのものには、どうも食指が動かない。

 なぜ苦手かというと、まずほとんど笑えた事が少ないからなんだと思う。少なくともわけのわからないアメリカン・ジョークよりはマシだが、アメリカ人って、どうしてこんなことに大笑いするんだろうという気がする。まあ、こういうのって、自分も思いっきりバカになって心を解放すれば笑えるのかもしれないのだが。

 あとは要するに、役者の腕次第なのかもしれない。ベルリンさんじゃないけど、コメディに向いている役者と向かない役者ってのもあるのかも知れないし。

 役者ということから言えば、この映画のマシュー・ペリーは私にはいまひとつピンと来なかった。
 エリザベス・ハーレーは『オースティン・パワーズ』で見覚えがあって、あいかわらずセクシーさを見せつけつつ、コメディエンヌとしても、まあ合格ってとこ。

 話の方は、先に離婚宣告書を相手に渡した方が有利というアメリカの司法制度がアイデアになっていて、夫婦がそれぞれ配達人を使って相手に先に離婚宣告書を渡そうとするドタバタ劇。

 なにしろこんなアメリカでしか通用しない司法制度のことも、普通わからないわけだから、最初かなり戸惑った。「えっ、なんで?」「どうして?」と思っているだけだから、笑いに繋がらないで置いてけぼりを食わされそうになる。

 そうじゃなくても、アメリカに住んでないとわからないジョークらしきものもたくさんありそうだ。だから自分が面白いと思った範囲で笑えばいいんだろうね。

 私が笑ったのは、空港で逃げるエリザベス・ハーレーが荷物庫に紛れ込んでしまい、ジーンズを引っ掛けて破いてしまう。代わりに他人のスーツケースを開けて代わりの物に着替えるのだが、それが超ミニスカート。ジーンズが破れて下着が見えるところと合わせて、いわばサービスショットなのだが、エリザベス・ハーレーが着替えて出てきてポーズをとると、American Womanのリフが流れる。このへんは日本だと60年代から70年代のロックが好きな人でないとわからないだろう。

 笑うのに戸惑うのは、例えば一旦飛行機に乗って離陸を待つだけになっていた書類配達人のところに、すく下りろとポケットベルで指令が来る。無理矢理降りようとして、止めるCAに、「俺は心臓外科医だ。すぐに戻らなければならなくなった」と嘘をつく。ところがこの男、すごく太っているのだ。「オレが心臓外科医だってこと、信じられないか?」 こういうのどうなんだろう。私など素直に笑えないのだが。

 どうやらアメリカでは、この手のコメディがゴロゴロあって、日本に入って来ないのは、興行的に難しいからなんじゃないかという気がする。そりゃそうだよね。

11月13日記

静かなお喋り 11月12日

静かなお喋り

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