風雲電影院

ロック・オブ・エイジズ(Rock Of Ages)

2013年2月28日
ギンレイホール

 80年代のハードロックを使ったミュージカルの映画化。

 私もロック好きだが、私にとってロックは70年代でほぼ終わってしまっていて、80年代ともなるとさすがにもう付いて行かれないところがある。
それでもここで使われている曲はけっこう好きなものが多くて、ガンズ・アンド・ローゼズの Paradise City とか、デイヴィッド・リー・ロスの Just Like Paradise とか、ジョーン・ジェットの I Love Rock'n' Roll とか、ホワイトスネークの Here I Go Again とか、挙げていくとキリがないくらい、いい曲がならんでいるのだけれど、残念なのは、それらがみんなオリジナルではなくて、出演者が歌っていること。当然だけど。

 私はトム・クルーズがボン・ジョビのWanted Dead Or alive を歌うところでドン引きしてしまって、あとはもう付いて行かれなかった。

 案外よかったのがパット・ベネターの Hit Me With Your Best Shot を歌ったキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。このテイクはかなりいいんじゃないか。映画としても彼女が一番抜けていた感じ。トム・クルーズのカリスマ・ロック・スターに振られて、今度はロックを社会の害悪だとする政治家になる。そういう設定自体笑えてしまって、思わずツッコミを入れたくなるが。だってそうでしょ。ロックが好きで聴いてたのが、ミュージシャンに振られたからってロック嫌いになるなんて短絡的な事あれえない。第一そう言いながら歌っちゃってるんだから。とはいえキャサリン・ゼタ・ジョーンズいいなぁ。なんか最近、『ヤング≒アダルト』を観たあたりからアラフォー女性が妙にカワイく見える。『パーカー』のジェニファー・ロペスもそうだった。『奪命金』のデニス・ホーも、そろそろアラフォーになりかかっている感じだし。ウハハハハ。

 ミュージカルだから、ストーリーはどうでもいいのかもしれないが、それにしてもどうにかならなかったものか。曲を繋ぎ合わせてストーリーを作り上げただけのようなもので、これだとロックに刺激を受けた男と女が発情してくっ付いたり離れたりしているだけの話になってしまっていて、観ていてうんざりしてしまった。この手の音が苦手な人だったら、この映画は拷問かもしれない。

 ロックが好きで田舎から出てきたネエちゃんや、ライブハウスのオーナー、ロックスターなんてものしか出てこない。ミュージカルとはいえ、生活感のない空虚な物語。まぁ、勝手にしてくださいとしか言いようがないのだが。

3月1日記

静かなお喋り 2月28日

静かなお喋り

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