風雲電影院

フィンランド式残酷ショッピング・ツアー(Shopping-Tur)

2014年2月11日
ヒューマントラストシネマ渋谷

 <未体験ゾーンの映画たち2014>の一本。2012年フィンランド、ロシアの合作。

 ロシア人の母親と息子がフィンランドへのバスツアーに参加する。息子はケータイでこの旅行の様子を動画にして記録するんだと言いだす。つまり『ブレアウィッチ・プロジェクト』が火付けとなった疑似ドキュメンタリー・ホラーの一本。ビデオカメラではなくケータイだということで、画面がやたらと動くものだから観にくいことおびただしい。

 どうやら息子は、これが一泊二日のお買い物ツアーだとは知らされずに参加させられた様子。おそらく息子としては観光旅行のつもりだったのだろう。おかあさんのストレス解消のための買い物と知ってがっかり。単なる買い物だったら息子を連れてくることなかっただろうにとツッコミを入れてしまいたくなるほど。

 バスは国境を越え、フィンランドへ。参加者は巨大なショッピング・モールに吸い込まれていく。なんとこの日は、このツアーだけの貸切。こんな大きなところで数十人の買い物客じゃあ採算が合わないだろうというツッコミもしたくなるところだが、そういう映画なのね。それでツアー客が入ると、このシッョピング・モールは人が出られなくしてしまう。

 出発から、このショッピングモールに至るまでで、もうかなりの時間がかかっている。小さなケータイで動画をこんなに撮影してしまって、メモリーやら電池は大丈夫なのだろうかというツッコミを入れたくなるところだが、これはそういう映画なのね。

 ショッピングカートを押しながら、おかあさんは買い物に夢中。と、ここでわざとらしく床に血のあとを発見。そばのドアを開けてみると、ツアー客のひとりが死んでいる。どうやら噛まれたあとがある。店員さんに知らせに行こうとすると、ショッピング・モールの中はたいへんなことになっている。店員がツアー客を次々と襲い、食べているのだ。

 なんとかショッピング・モールを逃げ出す親子。その逃げる様子もすべてケータイで動画として記録している。ウソでぇー! まっ、そういう映画なのね。

 外で助けを求めるが、なぜか外のフィンランド人もみんなグルみたい。どうなってるの、どうなってるのと慌てる親子。実はフィンランドでは、毎年ある時期、外国人を襲って食う習慣があるのでした。チャンチャン。

 えっ! えっ! それが真相!? そういう映画なの!? 唖然としましたね、これには。もう笑うしかないでしょ。まあ作っている方としても、コメディのつもりなんだろうけどね。フィンランド人でシャレのわからない人が観たら、怒り出すかも知れない。ウハハハハ。

2月12日記

静かなお喋り 2月11日

静かなお喋り

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