スプリング、ハズ、カム 2017年2月24日 新宿武蔵野館 シングルファーザー(柳家喬太郎)の娘(石井杏奈)が東京の大学に入学が決まる。広島から夜行バスに乗って上京したふたりは、四月からの通学を前に、アパート探しをする。そんな一日を描いた映画。 父親一人で育てた娘だが、反抗期もなく、父親思いのいい娘に育っている。娘は地元広島の短大に進学を希望するが、父親は無理矢理、東京の大学へ通わせ独り暮らしをさせる。 なんかね〜、ほんわかした父娘で、それでいて父親はあえて子離れしようとしている。いい関係だな。 この娘が可愛くて、本当によい娘だな〜と思う。こんな娘が私にもいたら、さぞ幸せだろうなんて思ってしまう。 ほかに出てくる人たちも、誰一人悪い人がいなくて、正直物足りないくらい。 なにも特別な事件も起こらず、気持ちい時間がずーっと続いて行く。このまま何時間でもこのまま観続けていたいくらい。そんな二時間。 映画が終わっても、きっとこのまま父親は故郷の広島に戻り、タクシー運転手を続けて、やがて定年を迎えて独り暮らし。娘は大学生活を経験したあと就職して、きっと素敵な男性と結婚するんだろうなぁという、これから先も静かな生活が続くんだろうという気持ちにさせられる。 いや〜、いい映画。何も起こらないのに退屈しない。後味はいいし、最後までいい気持で観終えることができた。 ただちょっと不満を書くと、最後の方のインドレストランのシーン、少し長かったんじゃないかと。いらなかったとは思わないけれど、やや強引で不自然な流れだったような・・・。 上映後、吉野竜平監督と、大家さん役で出演された柳川慶子さんのトークショー。 トークショーの最中に、お客さんには、映画でも出てきた飴ちゃん(純露)が配られた。 柳川慶子の映画デビューは、岡本喜八監督の『結婚のすべて』(1958)だというから、もうかなりのキャリア。 今回も、お喋りでおせっかいで、少し自己チューという女性を見事に演じていた。いるよな〜、こういう人。 2月25日記 |