弾丸特急ジェットバス(The Big Bus) 2015年7月13日 三日月座BaseKOMシネマ倶楽部 1976年作品。こんな映画があるとは知ってたけれど、観てなかったなぁ。 冒頭でもわざわざナレーションがあるように当時流行ったパニック・ムービーのパロディという形で企画がスタートしたようだ。ニューヨークからデンバーまでをノンストップで原子力で走る巨大バスというアイデアはバカバカしくて面白い。原子力で走るからといって、普通の道を走るわけだから、猛スピードで走らせられるわけもないのだから原子力にする必要性何てまったくない。それなのにあえて原子力エンジンって何なの? 実際、運転手が何キロまで出せるかって試してみようとするシーンがあって、それでも時速140Km。う〜ん微妙。車内は凄く豪華で、豪華客船をイメージしたんだろうけれど、ボーリング場があったり(1レーン)、プールがあったり(狭っ!でも監視員もいる)、レストランがあったり。どういう構造になっているのかは謎ですが・・・。アハハハハ。 一応、脚本もちゃんとしていて、原子力に脅かされた石油会社の社長がこのバスに時限爆弾を仕掛けるとか、バスドライバーと昔からの恋人との話とか、ちゃんと組み込んでいるのに、そっちに力が入っちゃったのか、真面目に撮り過ぎちゃっていて、いまいち弾けた笑いにならないのが惜しい。笑いのアイデアはけっこうあって、バス自体にカーウォッシュ機能があって大きなタワシが出てきて車体を磨くとか、バスに乗り込むには飛行機のタラップみたいなものを使うとか、タイヤ交換はボタンひとつでワンタッチとか、ドライバーの交代要員は癲癇持ちですぐ気を失うとか、よくぞバカバカしいことを詰め込んだとも思うのだけど、なんとなく不発。今となっては笑えないのがやはり原子力。放射能ネタのギャグは、今観ると、ちょっと・・・。 パニック・ムービーのパロディと書いたけれど、やはり一番パロッたのは『ポセイドン・アドベンチャー』でしょうね。船の話がなんでバスになるんだと思われるだろうが、パニックになるのは最後の部分。な〜るほどと思うに違いない。爆弾を船に仕掛けたといえば『ジャガーノート』もパロッてることになるのかな。あの爆弾のどのコードを切るのかっていうサスペンスは、今やさんざん流用されたりコントに使われるようになったりしたが、あの映画は1974年。二年後に早くもパロディにしているというのは凄い。 7月14日記 静かなお喋り 7月13日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |