運命のボタン(The Box) 2013年3月6日 DVD 映画館で観ていて、今回これが二回目。 映画館で観たときには、がっかりして出てきた記憶がある。それというのも、もともとはリチャード・マシスンの短編の映画化。まさに短編ならではアイデアなのだが、それを無理矢理長編映画にしたような脚本にうんざりしたのと、やはり当然のことながら結末が暗くなり過ぎちゃって、後味が悪かったこと。あくまで短編ネタなんだから、テレビの『世にも奇妙な物語』ならば「こういう結末です。面白かったでしょう」になるところを、そうもいかなくなってしまっている。 今回観直して、そういうことを念頭に置いていたら、案外面白く観られてしまった。壮大なホラ噺として捉えれば、それなりに面白いではないか。まあ、SFなんだよね、これ。主人公の家族で、父親がSFが好きだという伏線みたいなものもあるし。 以前観たときに、パーティーのシーンで、Bell Bottom Blues がかるのに気が付いたのを思いだした。そうそう、何でここでこの曲がかかるんだ?と思ったのだった。今回観直してみると、これも伏線だったのかなぁと思う。ジェームズ・マースデンの夫がテラスから窓越しに、妻であるキャメロン・ディアスがこの曲に合わせて、ゆったりと踊ってるのを見ているシーンがあるのだ。これがラストで効いてくる。 Bell Bottom Bluesは、デレク・アンド・ドミノス時代にエリック・クラプトンが作った曲で、『レイラ』というアルバムはクラプトンが道ならぬ恋をしていた時のもの。この曲も切ない。 I don't want to fade away Give me one more day please I don't want to fade away In your heart I want to stay ねっ、あなたから離れたくない。もう一日チヤンスをくれ、あなたの心に留まっていたいんだって歌ってる。 これねえ、この映画のラストを観た後に思い返してみると、泣けて、泣けて。 あのシーンのキャメロン・ディアスがまたいいんだなぁ。どこか物憂げで。この映画の中でも彼女が一番きれいに見えたシーンだ。 そのキャメロン・ディアスは俘虜の治療ミスから片足が義足だという設定になっていて、常に長い服を着ている。これがまたいいんだなぁ。脚の線がきれいな女優さんでもあるのだが、それをあえて封印しているのに、これまた足を隠す長い服が似合う。外出時に着るエンジ色のロングコート、部屋着にしている楽そうな長いワンピース、そしてパーティーに着ていくドレス、などなど。それらの色合いが凄く良くて、うっとりしてしまった。 それと今回気になったのが、家の壁紙。あれ、不思議な模様だよね。 3月6日記 静かなお喋り 3月6日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |