ケープタウン(Zulu) 2014年9月26日 ユナイテッドシネマ豊洲 原題は、Zulu だけど、邦題は『ケープタウン』になっていて、ポスターの感じから、南アフリカ共和国の都市ケープタウンを舞台にした刑事ものだなと予想がついて、観たくなって映画館まで足を運ぶ。 南アフリカ共和国って、とにかく治安が悪いってことで有名で、今世界で最も行きたくないところ。もっとも私は近年、海外旅行は億劫になってしまって、南アフリカでなくても気乗りがしないという情けないことになっているのだが。それでも南アフリカに行きたくはないが、怖いもの見たさで映画やドキュメンタリーだと、つい観てしまう。 バディを組む、アリ(フォレスト・ウィテカー)とブライアン(オーランド・ブルーム)は好対照なコンビ。とくにブライアンは酒浸りで女たらしで、奥さんとは離婚しているという、しょーもない男という設定。でも悪い奴は許さんからねという態度っていいな。 少女の殺人事件を追いかけていると、連続児童失踪事件とも絡んで来て、どうもおかしなドラッグを作っている奴がいるっていうんで、敵地に乗り込めば、警察なんて目じゃないっていう、おっかない連中で、このあたりの描写が、かなりエグい。さすが南アフリカ、ケープタウンのギャングたちは桁が違うと思わされたり。こういうのが野放しになっている国って何? つくづく南アフリカに生まれなくてよかったと思いましたね。 それで実は、この裏にはもっと大きな陰謀があってという展開は予想つくことだけど、アパルトヘイトって、ここまで来ちゃうともう、ナチスみたいなものだね。一つの国に明らかに人種の違う人たちが一緒に暮らすっていうことの困難さを感じてしまう。日本だって最近はネトウヨなんて連中も多くて、中国人や韓国人に対して反感を募るようなことをまき散らしていたりする。 かつてアメリカでも黒人差別が酷かったけれど、今ではどうなんだろう。アメリカなんて国は人種のるつぼで、白人黒人にとどまらず、いろんな人種の人たちが雑多に暮らしているわけで、もっと難しいと思うのだが。 ブライアンの別れた妻まで事件に巻き込まれ、アリの母親が殺されるに至って、ついにアリがキレて黒幕を殺しにシッョトガンを持って殴り込み。もう刑事ものでもなんでもなくなる。最後は砂漠まで追いかけて行って拳固で撲殺って、凄い結末。まさに怒りの鉄拳なんだけど、なんだか観終って、虚しさばかりが残る映画だった。それが狙いなんだろうけどね。 9月27日記 静かなお喋り 9月26日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |