September.28,1999 1999年6月
「ニコニコニコニコ」
「坊や、今日はうれしそうだね」
「うん、インターネット始めたんだ」
「じゃあ、プロバイダーと契約したんだ」
「いいや、パソコンについている『インターネット5時間無料体験』というのを利用したんだ」
「パソコン買って4ヶ月も経ってから?」
「インターネットするには、モデムって機械が必要だと思っていたんだ。それが、最近のパソコンには最初っからモデムが内臓されてるんじゃないか。くそーっ、知らなかったぞ」
「坊や、そんなに興奮しないで」
「シクシクシクシク」
つづく
September.24,1999 1999年4月
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの?」
「あのね、溝口の強暴な友達鈴木が、『おい、お前パソコン買ったんなら、ホームページ作れよ』と言うのね」
「なんで、そんな事言うの?」
「そこに掲示板つけて、みんなで遊ぼうって言うんだ。『嫌だ』って言ったら、ヘッド・ロックかけて脅すんだ」
「いいじゃない、この際、ホームページ作ってみたら」
「くそーっ、鈴木、何で俺がホームページなんて作らなきゃならんのだ!」
「坊や、そんなに興奮しないで」
「シクシクシクシク」
つづく
September.22,1999 1999年3月
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの?」
「せっかくパソコン買ったから、お友達に、バソコンでお手紙書こうとしたのだけれど、このパソコン凄く使いにくいんだ」
「どれどれ、どうゆう風に使ってるの?」
「こうやって、[スタート]から[アクセサリー]、そして[メモ帳]をクリック」
「坊や、坊や、そうじゃなくて、ワープロ文書を作ろうとするなら、[スタート][プログラム]、そうして[Microsoft Word]をクリックしなくちゃ」
「ええっ、そうなの。この富士通のパソコンを買ったとき付いてきた、『かるがるパソコン入門』というCD付きのガイドブックでは、メモ帳を使うようにWordの説明してた」
「う〜ん、それは初心者には解りにくいかもね」
「な、何ーっ、そんなこと、このテキストに書いてないじゃないか! くそーっ、富士通め!」
「坊や、そんなに興奮しないで」
「シクシクシクシク」
つづく
September.19,1999 1999年2月
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの?」
「パソコンを買ったんだ」
「へえ、ついに買ったんだ。良かったじゃない。見せて見せて。ふーん、ノート型か。しかもWINDOWS98搭載の最新型じゃない。それなのに、なんで泣いているの?」
「僕って、朝は4時半に起きて、途中少しは休憩が入るけど、夜の9時半まで働いているじゃない。とてもじゃないけれど、パソコンに触る時間なんてないんだ」
「それは可哀想に。こうなると、世のおじさん達と一緒で、パソコンは粗大ゴミになってしまうかもね」
「くそー、時間もない、金もない人間にパソコンなんてやってられるか!」
「坊や、そんなに興奮しないで」
「シクシクシクシク」
つづく
September.15,1999 1999年1月
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの?」
「仲間がね、ここ何年も、酒の席でパソコンの話で盛り上がってるの。僕ちゃん、15年位前にパソコン処分しちゃって、すっかりパソコンとは疎遠になっているじゃない。話についていけなくて、パソコンの話が始まると、トイレに行って時間を潰してるの。頃合を見計らって席に戻って、強引に話題を他に持っていく事にしているんだ。それが悔しくて」
「坊やも、パソコン買えばいいじゃない」
「やだー、パソコンなんてなあ、金食い虫の、時間食い虫だあ。ワープロなんて、手で書いた方が早い! 誰が何と言おうと、俺はパソコンなんて買わんぞ!」
「坊や、そんなに興奮しないで」
「シクシクシクシク」
つづく
September.12,1999 15年位前
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの?」
「僕ちゃんのAPPLEU、また壊れちゃったの」
「またって、前にも壊れた事があるの?」
「もう半年に一回は壊れるんだ。そのたびにサービス・センターに持ち込んで直してもらうんだけど、もういい加減うんざりしてきたんだ」
「最近はAPPLEもマッキントッシュ出して、APPLEUは、もう過去のものになりつつあるね」
「くそー、やいAPPLE、俺はマックなど買わんぞ! もうこんな、いまいましいパソコンなどとは縁を切ってやる。俺はパソコンなんて大っ嫌いだあ!」
「坊や、そんなに興奮しないで」
「シクシクシクシク」
つづく