October.30,1999 リアルタイム
「シクシクシクシク」
「どうしたの、ようやくインターネットが繋がったんだって? ホームページもいよいよ公開できるじゃない」
「それがね、ファイル名を総て英数の半角でつけなくてはいけないんだって。解りやすくみんな日本語にしちゃったから、全部名前を変更しているんだ。そしたらね、文書ファイルが画像ファイルを認識しなくなっちゃって、またいちから挿入しなおしなんだ。ふう」
「いつになったら、ホームページができることやら」
「シクシクシクシク」
つづく
October.29,1999 リアルタイム
「もしもし、サポート・センターですが」
「シクシクシクシク」
「・・・・・・・・もしもし、泣いていたんじゃ解らないでしょ。どうしたんだか、話してごらんなさい」
「あのね、12日前に入会したんだけど、今だにどうやってもページが開かないの」
「ふ〜ん、それはネットワークに問題がありそうですね。[スタート][設定][コントロールパネル][ネットワーク]をクリックしてください。[ネットワークの選択]にTCP/IPダイヤルアップ・アダプタは入ってますか?」
「ええ、4っつ入ってます」
「よっ、4っつも! なんでそんなに!」
「あっ、これね、TA買ってパソコンにつなげたんだけど、うまくいかなくて、何回も同じ手順繰り返しちゃったから、いくつも入っちゃってるの」
「ひとつだけ残して、後は削除してください」
「ええっと、こうやってと。それでIE5を動かして、接続っと。・・・・・・・・ああっ、開いた。どうもありがとう」
「ふう」
つづく
October.17,1999 リアルタイム
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの」
「プロバイダーにサイン・アップしたんだ」
「いよいよ、インターネットがはじまるね」
「それがね、TAに接続したというのに、『コンピューターは、モデムからの応答を受信しません』ていうエラー・メッセージが出ちゃうんだ」
「どれどれ、どうやって接続したの?・・・・・・・・・あああああ、これじゃダメだあ。なんでパラレルコネクタなんかに繋いでるの。シリアルコネクタに繋がなくちゃ」
「シクシクシクシク」
つづく
October.11,1999 リアルタイム
[シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの」
「ホームページもだいぶ打ち上がったというのに、もう一度読みなおしてみると、凄く読みにくいんだ。行間が、ほとんど無いんだもの、このソフトだと」
「頻繁に改行するしかないんじゃないかなあ」
「えっ、もうこんなに打った後で。今までの全部チェックしなおしなんて!・・・・・・シクシクシクシク」
つづく
October.9,1999 リアルタイム
「シクシクシクシク」
「いよいよ、マンションに入れたんだ。それなのに、坊や。なぜ泣いてるの?」
「マンションの頭金払って、インターネットに必要な電話を入れたら、銀行預金がすっからかんになってしまったんだ。ねえ見てよ、家具ひとつ買えない。机もないから、段ボールを机代わりにしているんだ」
「か、可哀想に」
「とりあえず、今日は金がなくて、朝から何も食べてないんだ。300円貸してくれない? 今、吉野屋で牛丼百円引きセールやっていて、300円で食べられるんだ。ねっ、300円貸して!」
「あっ、ベランダに鳩が」
「えっ、食い物・・・。あれっ、どこどこ。ねえ鳩なんていないじゃない・・・。あっ、誰もいない・・・。シクシクシクシク」
つづく
October.7,1999 1999年9月上旬
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や、なぜ泣いてるの?」
「スキャナーを買ったんだ。ホームページ作りに必要だったからね」
「いよいよ、ホームページも本格的に作り始めるんだ」
「それがね、このスキャナー動かないんだよ。映像を取り込んでくれないんだよ。もう2時間もいろいろ試しているのに」
「どれどれ、おや、ほんとだ。どうしたんだろう・・・・・・・。あっ、そうか、裏っ側にある読取ヘッドの固定レバーが解除されてないじゃない。これじゃ、ヘッドが動かないよ」
「ええっ、たったそれだけのこと?」
「そういうことになるね」
「シクシクシクシク」
つづく
October.5,1999 1999年8月下旬
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や、部屋中が本と雑誌だらけじゃないの。しかもパソコン関係ばっかり」
「パソコン買ったときに、大量の小冊子が付いてきたというのに、それらには本当の意味でのパソコンの使い方は載ってないんだって気が付いたの。それで本屋さんで『かんたん図解Word98』って買ってきたら、目からうろこが落ちたように、いろいろなことが理解できたのね。ところがしばらくして、この本でも解らない事が出てきちゃって、また本屋さんへ行ったら『できるWord98』っていう本で、その事に関して解りやすく書いてあったので、またそれも買っちゃってという具合で、どんどん本や雑誌ばかり増えてっちゃったの」
「ふ〜ん、雑誌は『HOME PC』『PC Computing』『PC Life』。ああ!、『Hanako』のインターネット特集号まである」
「『Hanako』なんて、今まで買ったことなかったんだけど、恥をしのんで買ったの。だって解り易かったんだもの」
「それにしても、唯でさえ狭い四畳半暮らしなんだから、これじゃ、寝る場所もないじゃない」
「それでね、仕方ないから、10月完成予定の近くのマンションを買うことにしたの。ねえ頭金が足りないんだけど、お金貸してくれない? 10万でも20万でもいいんだ。サラ金からは何軒も借りちゃって、もうどこも貸してくれるところがないの」
「あっ、急用思い出しちゃった。またね」
「シクシクシクシク」
つづく
October.3,1999 1999年8月中旬
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの」
「あのね、デジタルカメラ買ったのね」
「へー、オリンパスCAMEDIA C−2000ZOOM、いいカメラじゃない。もう写真は撮ってみたの?」
「うん、夏休みに日光へ行ったときに、たくさん撮ってきたんだ」
「よかったね、ちょっと見せて。・・・・・・・・・これピンボケじゃない? こっちのは被写体の人の頭が半分切れてるし、こっちのはブレてるし」
「ほっといてくれ。くそーっ」
「坊や、そんなに興奮しないで」
「それでね、PCカードからパソコンに写真を取り込むでしょ。そうすると、なぜか解らないんだけれど、作業を終えて、[スタート]クリックして[Windowsの終了]クリックすると、Windowsが墜落しちゃうんだ。何回やっても。どうなってるんだろう」
「さ、さあ、どうしたのかなあ。じゃ、今日は急ぐので、これで」
「シクシクシクシク」
つづく
October.1,1999 1999年7月
「シクシクシクシク」
「どうしたの坊や。なぜ泣いてるの」
「ねえ見てよ、この本」
「ふ〜ん、『HTML入門』かあ。いよいよ、ホームページを作る気になったんだ」
「でも、この本、なんだか記号みたいなものが、やたら並んでいて、さっぱり解らないんだ。どうしよう、とてもじゃないけれどホームページなんて、僕には作れない」
「HTMLなんて知らなくても大丈夫。市販のホームページ作成ソフトを使えば、簡単に出来ちゃうから。また安上がりに済まそうとしたら、パソコンに入っている、[FrontPage Express]を使ってもOK」
「くそー、そうなのか。そんならそうと早く言えよな!」
「坊や、そんなに興奮しないで」
「シクシクシクシク」
つづく