November.9,1999 リアルタイム
「シクシクシクシク」
「あれっ、もうアップロードしたんじゃないの?」
「うん、でも肝腎の掲示板が、クリックしても表示されないの。そもそも、ホームページ作ろうというのは、川崎のいじめっ子が、僕にホームページ作らせて、掲示板で遊ぼうという計画だったでしょう? それが掲示板なしのホームページ作っちゃったら、あいつに何されるかわからないじゃない」
「まあ、もう一息のところまで来たんだから、もうひと頑張り。ハイパー・リンク先のアドレスでも打ち間違えてるんじゃないの? ほら、あせらずに正確に打ちこんで」
「こうっと。これでいいのかな。それでは自分のページにアクセスしてと。うわあ、成功だあ」
「よかったね、これで完成じゃない」
「ありがとう。シクシクシクシク」
「あれっ、どうしたの?」
「嬉し泣きだよ。ああ良かった、苦しい二ヶ月だったなあ」
「でも、これからだよ。ページの更新、掲示板の管理。これからが大変なんだから」
「ええーっ、シクシクシクシク・・・・・・」
おわり(だといいけど)
November.7,1999 リアルタイム
「シクシクシクシク」
「どうしたの、まだ、ホームページできないの?」
「いや、一応もうできているんだ。ちゃんとプロバイダとも、ホームページ作る登録終えて、WWWサーバーに転送するためのFTPのソフトもインストールしたんだけれども、この使い方が解らなくて、今朝から、困っちゃってるの」
「日曜日だっていうのに、大変だね。もう夜もだいぶ更けてきたよ。それじゃあ、一日中パソコンの前に座ってたの?」
「うん、本当は東京国際映画祭のチケットも、二本買ってたんだけど、見に行かれなかったの」
「どれどれ、見せてごらん」
「このローカル側のファイルを、サーバー側のpublic_htmlの下に、ドラッグ&ドロップしろというのだけれど、下ってどこなんだろう」
「おそらく、これはpublic_htmlをダブルクリックだろうな。ほら、開いたじゃない」
「う、うわあ、たったそれだけの事に、一日かかったんだ。くそう。よし、ではアップロードするぞ。さて、後は掲示板をつけてと。あれっ、一辺回線切っちゃったら、つながらなくなっちゃった」
「うん、もう11時だもんなあ。回線が混んできたんだろう。明日仕事だし、今日のところは、もう寝たら?」
「シクシクシクシク」
つづく
November.2,1999 リアルタイム
「ニコニコニコニコ」
「ずいぶん楽しそうじゃない」
「うん、ようやくインターネットが使えるようになって、すっかりE−mailに嵌っちゃってさ。僕って昔っから手紙魔のところがあったでしょ。もう楽しくて楽しくて、アドレス持ってる友達に片っ端からmail何通も打ってるんだ」
「それって、はた迷惑なんじゃない。ところで、ホームページ作りは進んでるの?」
「あっ、それはまあ、ボチボチ」
「ちょっと、見せてごらんなさい。・・・・・・・ああっ!全然やってない! これじゃあ、いつになるやら」
「シクシクシクシク」
つづく