October.27,2000 検索
「おっ、カバ公、今朝もパソコンに向かってるな。今日の分の更新をしているのか?」
「ああ、源ちゃんかあ。今ね、インターネットに繋げて、ネット・サーフィンの真っ最中なんだ」
「ほお、進歩したじゃねえか。最近まで、てめえのホームページを作るだけで手一杯だと言っていたのに、他人のホームページを見る余裕が出てきたのか」
「うん、プロバイダーと契約して、ちょうど一年。ようやく利用の仕方が解ってきて、楽しくてしょうがないんだ。こうやって、いろいろ他人のページを見ていると面白くてね。自分のなんかどうでもよくなっちまう」
「おいおい、ところでおめえの今日の分の更新は終わっているんだろうな」
「いや、まだ、まるっきりやってない」
「何ぃー! もうすぐ午前8時じゃねえか。大丈夫なのかよ」
「なあに、時間がなかったら、やっつけの短いやつアップしとけばいいさ」
「おめえなあ、時間がなかったら、更新を休むという頭はねえのか?」
「ああ、そのうちな。しかし、ブレーキが・・・」
「何言ってやがんだ。昨日の分なんかみろ、[生せんべい]の写真を載っけて、販売元のホームページにリンク張っただけじゃねえか」
「・・・・・・・・・・。最近、検索というのを憶えてさあ、まさかと思ったら田中製菓のホームページってのまであるんだね」
「ははあ、最近のおめえのホームページ、リンクだらけだと思ったら、そんなことばかりやってたんだ。しかしなあ、企業のホームページにリンク張ってどうするつもりなんだ。企業の宣伝やってんじゃねえよ! 広告料取れるってもんじゃないだろう」
「そうだけどさ、ページが賑やかになっていいじゃん。写真使うと重くなっちゃうから、他人のホームページにある写真見てもらった方がいい」
「ところで、今は何を見てたんだい?」
「[クレイジーキャッツ]で検索入れたらさ、こんなにたくさん出てきちゃって、片っ端から見ているんだけれど、面白いんだ」
「ほほお、なるほど、こりゃあ凄いや――――――待てよ、もうすぐ8時だって言ったろ、おめえ、今日の分早く更新しねえと・・・」
「あっはっは、あわてない、あわてない。気にしない、気にしない」
「おおっ、植木さんに会ったものだから、すっかり植木等モードになっているな!」
「あのね、[植木等]で検索入れたらね、こんなの拾ってきちゃった」
「な、なにい!?」
「だからさ、ちょっとアンダー・ラインのところをクリックしてみてよ」
「おいおい、これは備長炭の通信販売のページじゃないか。植木等が宣伝でもしているのか?」
「まあ、読んでみてってば。 というわけで、オアトがよろしいようで」
「こらあ、待て! 何だこれは! どういうつもりだ!」
「落語史上初、インターネットを使ったオチ。革新的オチでしょ」
「バカ! ははあ、いよいよこのコーナーのネタが無くなってきたんだな」
「・・・・・・・・・・・」
「もう月末が近くなって、苦し紛れなんだろう? このコーナー、月に一回は書くなんて言ったものだから墓穴を掘りやがって」
「あっ!、モー娘がロケやってる」
「えっ、どこどこ? ―――――――――何だモーニング娘なんて、いないじゃないか。あれ? カバ公がいない。さては逃げたな。ほんと逃げ足の速い野郎だ。何処へ行きやがった。でも大丈夫。今日のテーマは[検索]だけに、捜すのはお手のもの」