「おい、カバ公、最近やけに写真を使うのが増えたなあ」
「おや、誰かと思やあ、岡山のグラフィック・デザイナーの源ちゃんじゃないか」
「説明的なセリフありがとうよ。でもよ、お前、せっかくPhoto Shopみたいな高価なソフトを買ってきながら、てめえのホームページに使うのは、元の写真を、ただWeb用にファイル・サイズを軽くするだけで、他に何も手を入れねえというのは、どうゆう了見でえ」
「あのさ、源ちゃんは岡山の人間なんだから、別に江戸っ子みたいな喋り方しなくていいんだからね」
「じゃ、じゃあ、―――――わしゃあ、岡山のもんじゃけん、って、これって広島弁じゃないのか?」
「ごめんな。作者が岡山弁知らなくて、『仁義なき戦い』での、うろ覚えの広島弁しか知らないんだ」
「しょーがねえなあ、とにかくだ、少しは勉強して何とかしようという気はないのかい?」
「へっへっへっへっへっ。よくぞ聞いて下さった。Photo Shopを買って約一年。ついに、ひとつ技を習得したんだよ」
「ほう、カバのくせにしては、大したもんじゃないか。で、何ができるようになったんだい」
「聞いて驚くな。写真の上に文字が入れられるようになった」
「けっ、何かと思えば、そんな初期的なことかあ。最初に習うようなことじゃねえか」
「そう言わないでよ。ようやく、やり方が分かったんだから」
「まったくもう。そんなのパソコンなんて年賀状くらいしか作らないオヤジだってやり方知ってるぜ!」
「ねえねえ、見たい? 見たい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「見たいでしょ? 見たいでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「見たいよね? 見たいにに決まっている。見たいことにしよう。そうか、源ちゃん、やっぱり見たいんだ。そうだと思った!」
「俺は見たいなんて言っていない!」
「無理しない、無理しない」
「無理なんてしていなーい! そんなもの見たかなーい!」
「嘘だーい! 本当は見たいんでしょ。それでさ、やり方盗もうなんて、うふふふふ。ちゃんとやり方教えてあげるよ!」
「・・・・・・・・」
「タダでさ。無料だよ。―――――そっと教えてあげるからさ。岡山へ帰って人に自慢できるよ」
「こ、このお・・・・、お、俺はなあ、デザイナーだぞ。何でそんなこと知らないとでも!」
「まあ、いいから、いいから」
「よおし、じゃあ見せてもらおうじやないか!」
「そうそう、素直に最初から、そう言えばいいんだよ」
「ふう―――――さっさとやれ」
「それじゃあ、元になる写真は、これを使おうか」

「あれ、これって今月の『蕎麦湯ぶれいく』で使った高尾山の写真だろ?」
「いやね、よく見ると違うんだ。これは、対向してくるケーブルカーが写っているやつ」
「そうかい、そうかい。じゃあ、さっそくお手並み拝見と行くか」
「へへへへへ。まずはPhoto Shopを呼び出しましてと。ちょいちょいちょいと」

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