December.19,1999 画像ファイル 

「おい、いるかい?」
「おう、誰かと思えば、源ちゃんじゃないか。まあ上がれや。もっとも、こちとら競馬中継のテレビ見るのに忙しくてな。あまり相手になってやれないぜ」
「おいおい、競馬なんて見ている場合じゃないぜ。お前のホームページのことで話があって来たんだ」
「うれしいねえ、俺のホームページ見てくれたんだ」
「見てくれたじゃねえや。画像のことで話があって、わざわざ来てやっただぞ」
「ああ、それなら、もう解決だ。画像が出ないっていうんだろう? その件なら、先日、大家の野郎が来て、直してくれたから、安心してくれ」
「確かに、画像は出るようにはなったけどな、なんだ、あの画像は」
「なんだって、俺がデジタル・カメラで撮った、芸術作品じゃねえか。ははあ、あまりにいい写真を俺が撮ったんで、おめえ妬いてるな」
「誰が妬くか、あんなボケボケの写真! いいか、よく聴けよ、画像のファイル・サイズが重すぎて、表示されるのに、むちゃくちゃ時間がかかるじゃないか。もっとサイズを軽くする努力というものが出来んのか!」
「んがっ!?」
「しょーがねえ奴だな。解ってるのかね、こいつは。それにだ、デジタル・カメラで撮った画像を、なんの加工もしないで使ってるから、不鮮明ときてやがる。なんで、画像解像度を300pixels/inchから、72pixels/inchに落とさないんだ。300なんてえのは、印刷用だぞ!」
「んがっ!?」
「おい、いいか、デジカメ買ったときに、グラフィック・ソフトのCD−ROM付いてたろ!」
「いいや、そんなのなかったぜ」
「おっかしいなあ、そういえばスキャナーも使っているようだけど、スキャナーにだって付いていたはずだぜ」
「そんなの、なかったもんねー」
「おい、いいか、胸に手を当てて、よ――――――――っく考えてみてくれ。絶対あったはずなんだから」
「・・・・・。・・・・・・・・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・? ・・・。・・・・・・・・・・・・・・? ・・・。・・・・・・・?? ・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・! そうだ! 兄弟、思い出したよ。そういや『なんだこりゃ』という、へんなCD−ROMがくっついてきやがって、しばらくラベルをながめていたんだが、さっぱり解んないんで、ベランダに投げ飛ばしたんだっけ」
「ぬ、ぬあにぃ! それでどうした、そのCD−ROM」
「時々、投げて遊んでる。近所の犬が好きでさあ。投げてやると咥えて持ってくるんだぜ」
「お、お前、なんてことを! 早く持ってこい! いますぐにだ!」
「うるせえな、取って来るよ、取って来りゃ、いいんだろ! ええっと、どこかな、ああ、やっぱりベランダだ。そうだそうだ、こっちがデジカメについていたやつで、こっちのがスキャナーの」
「おい、見せてみな。うわあ、犬の噛み跡だらけ。第一、割れちゃってじゃねえか」
「まっ、しょうがねえじゃねえか。俺、競馬見なくちゃいけねえんだ。ちょうど、今、メイン・レースがスタートするところだ。用が終わったら、帰ってくんな」
「こ、このー、おのれという奴わあ!」
「ひー、ぐびをじめないでぐでー」
「な、なんだと」
「『首を締めないでくれ』って行ったんだよ。ああ苦しかった」
「いいか、よく聞けよ。カバのお前でも使える、いいソフトがあるから教えてやる。『Adobe Photoshop5.5J』っていうんだ。いいか、パソコン・ソフト売場行って、必ず買ってこいよ!」
「わかったよ、乱暴な奴だな。おおっ、いよいよゴール前だ。うわあ、横一列になってゴール・インだ。掲示板には、審議のランプまで灯っちまいやがった。これじゃあ、掲示板に結果が出るのはいつのことやら」
「このレース、お前のホームページと同じだな」
「そりゃ、いったい、どういう訳でえ」
「表示に時間がかかるでしょう」


December.1,1999 画像が出ない

「おい、いるかい?」
「いけねえ、大家さん、店賃(たなちん)の催促だろ? 悪いがもうちょっと待ってくれ。インターネットの利用料とか、電話代とか、ここんとこ出費が増えちまっていけねえんだ。大晦日までには、今年溜めちゃてる分、耳を揃えて払うからよ」
「いや、店賃の催促なんかじゃねえーんだ。その、おまえさんが始めたホームページのことよ」
「えっ、大家さん、見てくれたんですかい? そいつは、ありがてえ」
「おまえさん、わかってるのかい? 画像が出てこないところがあるぜ」
「えっ、ほんとですかい?」
「そうよ、みんな不思議がってるぜ」
「おっかしいなあ」
「ちょいと見せてみな。どれどれと」
「えっ、大家さん、パソコンわかるんですかい?」
「わかるのかはないだろう。しったかぶりの隠居とはちがうよ。ああ、これだこれだ。ファイル名が、全角になってる。ファイル名は英数半角にしなきゃ表示してくれないんだよ。さあ直して直して」
「んがっ!?」
「『んがっ!?』じゃなくて直しなてえんだよ」
「大家さんやって」
「しょーがない奴だなあ。じゃあ今回だけだよ。ええっと、ここを直してと。これでよし」
「さすが大家だ。だてに歳取ってない」
「歳取ってるは余計だ。それとほら、まだ表示されてないのがある」
「えっ、まだあるんですかい? ほら、ネットに繋げてみても、ちゃんと見えるじゃないですかい」
「それは、おまえさんのパソコンだけだよ。ほら、HTML形式でみてみるとわかる」
「大家さん、HTMLの話は止めてくれや。HTMLってあの記号がズラーッと並んでいる奴でしょう?」
「いいかい、ここだ。おまえさん、どうやったのか知らないけど、この『file:///C:Home%20page』って部分を削除しねえと表示されねえんだよ。さあ、直して直して」
「んがっ!?」
「またかい。しょーがない奴だねえ。ええっと、ここまで消してと」
「大家さん天才!!」
「お前さんがカバなんだよ。それにしても、この先、どうなるんかね。ちゃんと画像が表示できるようにしていかれるのかい? また沢山、表示できない画像出しちゃうんじゃないかい?」
「なあに、溜まっちゃたら、店賃と一緒に、大晦日に大家さんのところへ持って行く」        

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