May.31,2008 久蔵の達者な話術と芸に酔う

5月25日 花形演芸会 (国立演芸場)

        大銀座落語祭の先行発売があったので午前10時から電話の前でダイヤルを押し続けていたのだが、つながらな〜い、つながらな〜い。やっと繋がって音声ガイダンスに従ってまたダイヤルを押し続けるが、もうすでに人気の番組は全て「予定販売数を終了しました」とさ。くっそー、と受話器を置いて毎週日曜にやらなくてはならないあれやこれやを片付け終わると花形演芸会の時間が迫っている。ダッシュで家を出て半蔵門へ向うが、着いたときには前座の林家たい木『道具屋』がもう終わりかけているところ。ごめんね。

        続けて三遊亭天どんが出てくる。「私、普段は新作落語を演っているんですが、国立演芸場から花形演芸会に出てくれという電話がかかってきまして、『出番はどの位置ですか?』と訊くと、『前座さんのあとです』というんで、訳わかんない新作を演るとみなさんの負担になるし、私が傷つくので『古典でもいいですか?』と言ったら、『新作でも古典でもなんでもいいですから、邪魔にならないようにしてください』ってなんなんでしょうねえ」 こうして始めたのは古典の『粗忽長屋』。キャラがいかにも天どんらしく作られていて面白い。

        真打昇進した神田阿久鯉。「講談界ではよくNHKの大河ドラマに合わせて講談を演ることが多いのですが、今年の大河ドラマは『篤姫』。これは講談にネタがありません。去年の『風林火山』、これもありません。そこで一昨年の『功名が辻』、山内一豊の妻をお送りしたいと思います」と、『出世の馬揃い 山内一豊の妻』。こっちはもう2年、いや3年前から「今度の大河ドラマ『山内一豊の妻』ですので」と女流講釈師に何回も聴かされたよなあ。

        タイムマシーン3号の漫才。「子供が産まれてきたらどんな名前をつけようかと思うんだよね」 「女の子が生まれたら、紫の果実と書いて何と読ませるかわかるかい?」 「何て読ませるんだい?」 「プルーン」 「それは無理だろ」 「それじゃあ、ミキ」 「やっぱりプルーンかよ!」 子供が産まれる名前を付けるというネタから、なぜか結婚式にネタになり、結婚相談所のネタになっていく。普通逆のプロセスになりそうなのだが、こちらの方がまとまりが良かったのかなあ。

        中トリは古今亭菊志ん『藪入り』。三代目三遊亭金馬のものが印象に残っているせいか『藪入り』の父親はもっと歳を取った噺家の方が似合うと思っていたのだが、よく考えてみると、『薮入り』の子供は十歳前後。今年37歳の菊志んにそのくらいの歳の子供がいてもおかしくない。いや等身大の父親なわけなんだ、よく考えてみると。

        仲入り後は国本武春。桃中軒雲右衛門の『忠臣蔵 南部坂雪の別れ』。面白おかしく見せた武春の『ミラクル忠臣蔵』でもこの部分は真面目にやっていたが、この日の浪曲も笑いを取る事もなく本寸法な浪曲芸。

        曲独楽の三益れ紋はあいかわらず騒々しいけれど、それが楽しい。客いじりも相変わらず。

        この日のトリは林家久蔵。師匠の木久扇をサカナにして客をひきつけ、オヤツの小噺と、ぶっかき氷の小噺で笑いを取っておいて『蛇含草』へ。この出来がなかなか。期待以上の出来だった。餅の曲喰いの楽しいこと! ポーンと投げ上げた餅を上を向いて口でキャッチ。「(口でキャッチするのに)なんで、そんなに身体を反らすんだ?」 「なんでも、オリンピックで金メダルが取れるらしい」 イナバウアー!


May.25,2008 久しぶりに不条理劇観賞

5月18日 阿佐ヶ谷スパイダース
       『失われた時間を求めて』 (ベニサンピット)

        不条理劇。これといったストーリーらしいストーリーはない。舞台は公園のようなところ・・・だが上手、下手、舞台奥と三つのドアがある。ベンチがひとつ、外灯がひとつ立っている。あとはゴミ箱がひとつあるだけ。舞台をグルリ側溝が取り巻いていて、そこには大量の落ち葉が積もっている。3人の男と1人の女が入れ替わり立ち代り現れては、意味のあるようなないような事を喋る。後半になるにしたがって台詞はどんどん抽象的になっていって、こちらはどんどん混乱してくる。それでいていろいろと頭を刺激してくるものがあり、帰り道でいろいろ思い返しては、「あれはどういうことだったんだろう」と考えた。

        でもですねえ、しばらく考えていて、どーでもいいんじゃないのというのが私の結論。失われた時間を求めている時間があったら、これからの時間をどうするか考えた方がいいんじゃないの。ということからすれば、これは時間の無駄だったような。


May.24,2008 すごいパワーの3時間

5月18日 『志村魂3』 (天王洲アイル・銀河劇場)

        ダチョウ倶楽部が侍姿で幕前に出てきて、「殿はどこかご存知ありませんか?」と客席に問いかけて客をいじるのは以前と同じ。続く『バカ殿様』コントも、役者が変わったのと小道具が変わったの以外、以前のものとあまり変わっていなくて、面白いんだけど、また同じものを観せられるのかなあと少々不安になった。

        ところが続くコントライブはコント十連発。大正琴を使ったコントから始まったのだが、これを練習するだけでも大変な努力だろう。2本目がこれまた以前にやったことのある学校コントだったので不安になったのだが、3本目からは全部新作。眼科医コント、侍コント(3パターン)、電話コント、入院コント、波止場のトランペッター、電車コント(5パターン)、水兵コント、マッサージコント。どれもこれも『8時だヨ!全員集合』で確立されたようなタイプのコントだ。どちらかというともう古いという感じがするし、観た事があるパターンの笑いなのだが、それとわかりながら笑ってしまう。

        2幕目は恒例になった志村けんの津軽三味線。昨年のNHK大河ドラマ『風林火山』から『月冴ゆ夜』。マジだよ、相変わらず。相当に練習したのに違いない。

        これまた恒例の松竹新喜劇は『人生双六』。おそらく藤山寛美が演った役を志村けんが演ったのだろうが、これを大真面目に演っている。しかも寛美ではなく役を志村けんのものにしている。自分ならこの役、こうやるという自信のようなものが感じられた。そして特筆すべきは相手役の上島竜兵。実にいい演技をしている。バラエティやコントでの彼しか知らなかった私には驚きの一言。余談だが最後の場で不思議な形をした机が出てくるのだが、観ていくうちになるほどと思った。実際にはありえない机だが芝居で見せようとするとこういう工夫もあるのね。

        それでも志村けんという人はテレ屋なんだろうな。しみじみとした気分にさせておいてラストにおちゃらけをオマケにつけちゃったりするんだから。


May.23,2008 馬券を買って、演芸場ちょいと観

5月11日 浅草演芸ホール五月中席昼の部

        NHKマイルカップの馬券を買いに浅草へ出たついでに、真打昇進披露興行を演っている浅草演芸ホールを覗いてみることにする。「お立見です」と言われるのも当然。日曜日の昼間といったら普段でもここは混んでいる。

        一階席の扉を開けると立見のお客さんでいっぱい。なんとか空間をみつけて確保して高座を見てみれば口上は終わっていて三遊亭遊馬が新宿のときと同じく『転失気』を演っている。新宿のときよりも声が大きく出ている。またお客さんの反応もいい。ドッと笑いが起こっている。

        「たくさんの皆様の前で演るなんてそうありませんでした。私が実力を発揮できるのは、お客さん5人まで」と古今亭今輔も感無量か・・・そんなわけないでしょ。いつもよりマクラが長めかなあと思っていると、よく演っているラーメン屋のマクラから『飽食の城』へ。これも浅草のお客さんには受ける受ける。受けまくっている。

        Wモアモアが休演で代演が新山真理。「この世界に入って25年・・・3歳からやってますから」といつものツカミ。以前一緒に漫才をやっていた相方が結婚したが、自分は結婚できない理由を「楽屋にはたくさん男性がいるんですがおじいちゃんばっかり。楽屋へいくと老人介護がたいへんなんです。歌丸師匠ももうすぐ重要無形文化人になりそう。あっ、小遊三師匠は重要参考人」

        古今亭寿輔は漫談。お客さんをいじりまくっている。目の前でゲラゲラ笑っている女性にターゲットを絞ると、「そんなに面白いですか? でもあんた、落語家の前でそんなに大笑いして甘やかすもんじゃありませんよ。笑われて嫌な落語家はいません。ひょっとしてオレは落語うまいんじゃないかと思うようになってしまう。私の父親は一度も寄席に私を見に来ません。そんなものをあなた笑って喜んで・・・」 客席は爆笑の嵐だ。

        4人だけ観て演芸場を後にする。馬券売場に戻り、NHKマイルカップの結果をチェックして帰途につく。


May.16,2008 猫ホテV.S.アメリカ

5月10日 猫のホテル
       『けんか哀歌』 (本多劇場)

        『けんか哀歌』という題名も、チラシの写真も芝居の内容にあまり関係ないようだ。これだから観に行く前に内容を予想するのは無理。てっきり『けんかえれじい』みたいなバンカラものをイメージして行ったのだが、まったく違うんだよね。

        話は戦後の映画製作会社で起きた労働争議の話がメイン。けんかなんて出てこない。会社側と労働組合が闘ったというのがけんかだというのなら、それはそれで正しいのだけど。というより、この芝居でのけんかは、戦後日本と民主主義を旗に乗り込んできたアメリカとの闘いを描いている。GHQの中でも教育や文化面の改革を指導したGIEと映画会社との軋轢の中で映画人たちは振り回されてしまう。仇討ちや忠誠心を賛美する映画の制作を厳しく取り締まったために、チャンバラ映画が作れなくなってしまったのは有名な話だ。一方で労働組合を作ることを推し進めておきながら、ストライキをすればその連中を赤だと断定して取り締まる。そんな不合理を描いていく。

        もちろん猫ホテだからギャグ満載であることには違いない。前半はギャグで観客を笑わせておいて、後半になるとシリアスになっていった。ここの役者さんたちは達者だから、結構相手役をいじったりして楽しんでいるのがわかる。特に森田ガンツをいじりまくる池田鉄洋と、ガンツそのリアクション。楽しんで芝居しているのが客席にも伝わってきて、それでいてそれが嫌味にならないから得な劇団だ。


May.11,2008 六代目今輔、発進!

5月6日 新宿末廣亭五月上席夜の部

        落語芸術協会の新真打3人の昇進披露興行。昼の部が終わる4時30分ごろに末廣亭の前に行くと、満員御礼で入場を一時中止しているとの貼り紙。まあゴールデンウイーク最終日、昼の部が終わったところでお客さんのほとんどは帰るなと、列に着く。ゾロゾロとお客さんが帰っていく。場内が落ち着いたところで入場開始。さすがに夜の部は真打昇進披露興行目当てのお客さんが多いようだ。

        開口一番の前座さんは講談で神田蘭『桂昌院』。五代将軍綱吉の母、桂昌院は八百屋の次女として生まれ大奥に上がった人物。お玉という名前であったことから、後に玉の輿という語源にもなったという逸話を語る。前座にしてもうしっかりした口調。最近の女流講談はレベル高いよなあ。

        三遊亭遊喜『浮世床』の本読みのくだりを、ややオーバーぎみに。

        鏡味健二郎の太神楽は着物姿ではなくタキシード姿というのが珍しい。木盆を手に乗せ、遠心力を使って逆さにしても盆が落ちないという曲芸。「これね、案外簡単なんで皆さんもやってみてください。練習とか稽古なんて大げさなものじゃない。遊び感覚でやってください。必ずできるようになりますから」 う〜ん出来そうな気もするけど、次にやった傘回しは相当に訓練しないと出来そうにないなあ。

        三遊亭遊之介『狸の札』を楽しそうに。

        「蝉は6年間土の中で育ちます。なのに地上に出てきて一週間ほどでその生涯を終えます。中には道路が舗装されちゃって生涯日の目を見ないままになってしまう蝉もいます。またそういう生涯日の目を見ないままの芸人なんていうのもいまして、そういう芸人を何と呼ぶかというと、セミプロ芸人」 三遊亭右左喜『生徒の作文』

        「江戸時代には猫八と呼ばれる人がたくさんいたんだそうです。猫の声を八つ色に鳴き分けたという動物物真似をしてお金を稼いでいた人達のことをこう呼んでいたそうです。私の父も祖父も江戸家猫八を名乗っていました」と、ちょっとした知識を授けてくれて、江戸家まねき猫は、河童の物真似。

        三遊亭右紋は1948年生まれの、いわゆる団塊の世代。昭和30年代を語った漫談『あのころ』を。「小学校の給食、不味かった。みんな窓からこっそり捨てたんですから。だから育ったのは野良犬だけ」 「おいしい料理の作り方って、いい材料を使えばいいってもんじゃない。また腕もね、それほど関係ないんですよ。肝心なのはその料理にどれだけ愛情を入れて作るかってことなんだそうです。うちの飯ね、不味いんです。結婚以来ずーっと不味い」

        トリをとる今輔の師匠古今亭寿輔。いつになく声が小さい。「披露興行とあって、毎日飲んでいる。まだきのうのアルコールが残っている」なんて言いながら、ネタの『釣りの酒』に入るや、やっぱり元気いっぱい。

        ステファニーのマジックジェミーのマジック。あらあら先日小泉ポロンがやっていたカード当てをやっている。マジックインクが謎だったのだが、これでわかった。な〜んだマジシャンズチョイスじゃないか!

        三遊亭遊三は、いつものマクラにいつもの『ぱぴぷぺぽ』

        桂米丸はこのところどうも噺をしないで、自分のことを話して高座を終えることがあるようだ。この日は芸談に終始していた。「何でこの仕事がやめられないかというと、お客様と息がひとつになるという瞬間がわかってきたからですよ。そんなことないとお思いでしょうが、それがあるんです。みなさん笑っているときは息吸ってませんでしょ。吐いているんです。その瞬間、私は休んで息吸っているんです」 そのあと若い頃に三越劇場の楽屋で徳川夢声と一緒になったときに、夢声に「話術の間とはなんでしょう」と聞いた体験談、続いて徳川夢声が楽屋から舞台に向って歩いていくところの形態模写。

        仲入り後に口上。右紋が司会になって、三人の幹部の挨拶。
小遊三「今日は中国から胡錦濤が来てりまし。おそらくパンダの売り込みに来ているんでしょう。一頭一億円だそうで。この三人、まとめて三百万円でどうでしょう」

寿輔「弟子の錦之輔がこのたび今輔を襲名しました。先代は品格のある師匠でした。それでいて優しい。人格者でした。私は六代目を何て呼んでいいのかわからない。初日思わず『今輔師匠』と呼んでしまった。そしたらこの人、『なんだい、寿輔』」

米丸「先代の今輔は私の恩師でありました。私は今、複雑な気持なんですね。というのは、今輔という名前は私が継ぐ予定だった。私が48歳のときでした。今輔師匠が私に『今輔の名前、あなたにあげます』っておっしゃった。そのとき私は恐縮して『とんでもない』って言っちゃった。あのとき、なんで『ありがとうございます』と言わなかったのか。師匠も気を悪くなさったんじゃないかと」

        新真打の高座。まずは日向ひまわり『笹野権三郎 海賊退治』。『笹野名槍伝』でも派手なところ。海賊の親方との対決で肩口を斬りつけた権三郎。「肩の部分はロースと申します。ロースのところを斬られて、ロースることもできない!」

        三遊亭遊馬『転失気』。知ったかぶりの和尚さんがお医者さんに「転失気はありますか?」と訊かれたのだが転失気とはなんのことかわからない。知っているふりをしてその場を切り抜けたが、転失気がおならのこととは知らなかった。「この意味がわからないとブーブー言われる。昔からおならのことは転失気と言った。だいたいへーあん時代から」 声にメリハリがある人だ。

        時間が押しているらしく、東京ボーイズは『謎かけ小唄』だけ。

        ここで、夢之助か米助の交互出演なのだが、さすがに売れっ子らしくて二人とも休演で、代演は三遊亭円雀『転宅』

        「オレオレ詐欺って、いまだになくならないようで。私の姉のところにも電話がかかってきまして、どうも様子がおかしいので、『オレオレ詐欺でしょ』って言ったら、『ちぇっ、くそばばあ!』って電話を切られました。相手はよく知っていたものですねえ、私の姉がくそばばあだってことを」 三遊亭小遊三は絶品の『堀の内』

        ボンボンブラザースの曲芸も短め。

        トリの古今亭今輔が出てくると、「待ってました!」 「六代目!」などの掛け声が飛ぶ。「物騒な時代でございまして、今に寄席ジャックなんてのがあるかもしれません。私に無理な要求したりするんです。ひとりの男が前に出てきて武器を突きつけて『芝浜やれ!』とか」 ネタは『極同窓会』(改 ドキドキ同窓会)。同窓会に出てみると学生時代にみんなにバカにされていた男が出席している。それがどうやら卒業後ヤクザになっているようにも見えるのだが、ところどころの言動がいささかおかしいようでっていう噺。マニアックな噺の多い六代目にしては寄席受けしそうなネタ。なるほどこの噺で勝負に来たのか。

        拍手が鳴り止まないままに幕が下りていく。頑張れよ、六代目!


May.10,2008 このメンバーにして、静かな演劇

5月4日 月影番外地
      『物語が、始まる』 (赤坂RED THEATER)

        国立演芸場を出て赤坂へ。開場までに時間があるのでマクドナルドで時間を潰す。

        川上弘美の原作は知らなかったが、脚本が猫のホテルの千葉雅子、演出が木野花、役者が劇団☆新感線の高田聖子、動物電気の辻修、拙者ムニエルの加藤啓の3人だけときたら、かなり汗だくの芝居を想像してしまった。ところが始まった物語はひたすら静かで、そのまま最後まで静かに静かに語られる物語。正直に言って私などは睡魔が襲ってきて最初の30分くらいは、ときどき意識を失ってしまうほどだった。

        女(高田聖子)が雛形(辻修)を拾ってくる。はて雛形とはなんだろうか? 観ていくうちになんとなくわかるのは、人形のようなものとでもいうのだろうか、ただこの雛形、だんだんと意識を持って人間のように振舞うようになっていくということ。女には恋人(加藤啓)がいるのだが、女はだんだんとこの雛形との生活に夢中になり、男と離れていくようになってしまう。男は嫉妬心を燃やすが、女はどんどん男に興味がなくなっていってしまう。やがて、この雛形との生活には大きな問題があることに気がついていく。

        この雛形、いわばペットとの関係にも似ているのだ。人間にかなり近いペットといっていいのかもしれない。ラストはかなりせつない。この3人の役者がこういう芝居を演るとは思わなかった。


May.6,2008 いじられやすいキャラか? 瀧川鯉朝

5月4日 大演芸まつり・落語芸術協会 芸協らくごまつり (国立演芸場)

        去年から始まった芸協の秋の[芸協らくごまつり]の実行委員たちによる資金稼ぎとPRを兼ねた会。国立演芸場にしては珍しく全席自由席だというので、開場時間の12時30分より前に国立演芸場に着いてみれば、もうすでに開場している。慌てて飛び込んで自分の好きな席を確保。

        開演は1時なのだが、12時45分にはもう前座さんの開口一番。春風亭昇々『たらちね』。頑張ってね。

        笑福亭里光『動物園』。お得意の「皮を被った経験は?」 「高校生まで」 「遅すぎるのと違いまっか?」がなかったような(笑)。「責任負わされても負えまへんで」 「虎が責任とってどないする」 「力仕事はできまへんで」 「虎が材木背負ってどないする」 里光のこの噺のサゲは普通のサゲとはちょっと変わっているんだなあ。

        「ちょっと見に、(私のこと)小さいなとお思いでしょうが、身長180cm・・・あればいいなと。156cm40歳でございます」と瀧川鯉朝は客をつかんで『荒大名の茶の湯』へ。加藤清正をアニマル浜口に見立てるという趣向が、この噺をわかりやすくしている。

        「このあと口上がありますが、私はこのあと金融関係の仕事が入っておりますので、鯉朝さんに代わって出ていただく事にしました。金融関係の仕事って、駅前でのティッシュ配りなんですが」 三遊亭円馬は快調に飛ばす。「寄席では10日間で出演者が替わります。5日目の中日にはトリを取っている師匠から差し入れがありまして、新宿の寄席は寿司なんです。でも終演のころには、この寿司が乾いてしまっている。それでこの寿司を折り詰めにしまして回転寿司に行くんです。回ってきた皿から寿司を食べて、持ってきた寿司を代わりに皿に乗せて戻してやる」 ネタは『鰻屋』。「この鰻は、なかなか捕まらない。身体に34個所の傷がある。木更津から連れて来たんです」 「切られ与三郎だね」 こういうクスグリは『お富与三郎』を知らないとわからない。一方、「この真っ黒で立派なヒゲをしているのがビン・ラディン。捕まえようとすると、まわりにいるアルカイダが邪魔をする」 こっちの方が受けている。

        春風亭昇太も元気だ。「オリンピックって開催国が自分の国に有利な種目を加えるじゃないですか。東京オリンピックでは初めて柔道が加わった。もう日本がほとんどメダルを取った。ソウルではテコンドー、ロスでは野球。北京オリンピックではね・・・聖火を守る競技なんて加えたらどうですかね。これをやったら中国に敵う国はない」 そのあとは弟弟子の鯉朝のことを「すぐ泣く」とあれやこれやの実話(?)をバラしまくる。ついには鯉朝が出てきて「もう勘弁してくださいよ」 ネタは『壷算』。昇太の抱きつき首舐め壷算は、いつ聴いても可笑しい。

        仲入り後は口上。下手に座った三遊亭遊雀が司会役。この会の趣旨は秋の芸協らくごまつりのPRだから、話すのはみんなそのことばかり。鯉朝「去年は、鯉昇一門は甘酒屋をやりました。これが、ぬるい、まずい、きたないと評判になってしまいまして」 平治「同じようなお祭が上方にもありまして、これが彦八まつり、落語協会では円朝まつり、それでウチのネーミングをどうしようかと思ったのですが、後のまつりなんてどうかと提案したんですが、これは却下されてしまいまして」 「玉川スミ師匠は幽霊を見ることができるっていうんで今年も人生相談をしてくださるボックスを作ろうと思っているんです。オーラのおスミ」 昇太「こんなこと言っているとカルトの集りだと思われちゃうじゃないですか!」 上手にはなぜか落語協会の三遊亭金馬。金馬は日本演芸家連合の会長。この十日間の興行は日本演芸家連合の興行だということで挨拶に来ているのだった。「きょうは落語芸術協会の若手がズラリとこちらに並んでおります。若手ったって、みんな20年くらいやっている。私なんかもう後期高齢者」

        三遊亭遊雀までもが、鯉朝のことをいじっている。この日はすっかり鯉朝が犠牲者。いじられやすいキャラクターなんだろう。ようやく鯉朝の話題から離れると、夫婦喧嘩のマクラをふっている。ああ、これは先月聴いた『堪忍袋』だ。「先だってもカミさんと喧嘩したんですよ。つい『出てけ、このやろう!』って言ったら、このあとカミさんが取った行動が信じられない。本当に出て行っちゃったんですから。男が『出ていけー!』と言うのは、こう言っても出て行かないだろうという信頼関係で言ってるんですから。いいですか、男が理想と求める相手の反応はこうですよ。その場に崩れ落ちてヨヨと泣く。ちょっとやって見せましょうか? (左手をついて右手で顔を押さえる) この左手の線ですよ。これに男は弱いんだ。この女のためならばと翌日からまた頑張っちゃう」 梅干は身体にいいからと、たくさん漬けて食べさせるおカミさんと、こう来る日も来る日も三食梅干を食べさせられてうんざりしている亭主。本当はお互い相手を思っているんだろうなあと思わせる演出が凄いのだ。

       「芸協らくごまつりでは、私は飲食担当。鯉朝さんの甘酒屋は今年は出させません!」 あらあら江戸家まねき猫にまでいじられてるよ。ネタは、動物物真似ショッピング。にわとりの目覚まし時計(だんだん音が大きくなる。卵が産み落とされたところから、ヒヨコ、親鳥、そして鶏の時の声)、本格的ハト時計(ハト時計の音はあれではカッコー。本当のハトの声で出てくる)、落ちない口紅(カエルの鳴き声の物真似をやると手に口紅が付いてしまうというところを見せ、そこから秋の虫の声様々)、江戸家警備防犯システム(様々な犬の鳴き声)、コンパニオン(幸せを呼ぶ猫の鳴きまね)。

        トリは桂平治。蜀山人の野暮天の噺から入ったので、これは栄枝から『蜀山人』を習ったのかと思ったら、そこから『青菜』に入った。「ときに植木屋さん、菜はお好きかい?」 「嫌れいだよ!」 「あのな」 「あの菜も、その菜も、この菜もねえよ。菜は嫌れいなんだ!」 ほう、そこまで押すか。

        ハネてから赤坂までブラブラと歩く。ゴールデンウイークとあってクルマが少ない。みんなどこかへ遊びに行っちゃったのかなあ。 


May.5,2008 牛肉持ってきた

4月29日 第347回花形演芸会 (国立演芸場)

        おそらく喬太郎がゲストということで満員御礼。開口一番は柳家小ぞう『金明竹』。頑張ってね。

        「三浦和義がサイパンで逮捕されまして、事件発生は随分と前のこと。ロス疑惑だけに長〜い時間のロス。これからまた、サイパン(裁判)になるそうで」 林家たけ平は地噺の『紀州』だから自由にギャグを盛り込む。「バーベキュー・パーティにやってきた男、『牛肉持ってきたよ』と言う。喜んだのが仲間達。さてすっかり用意が整いまして、『それじゃ、牛肉出してくれ』と言いますと、件の男、『牛肉なんて持って来てないよ』と言う。『だって、やってきたとき、牛肉持ってきたって言ったじゃないか!』と言いますと、『そんなこと言ってないよ。オレは急に曇ってきたと言ったんだ』」

        Wコロンの漫才はどこか伝統的な東京漫才を思わせる落ち着いた感じがいい。なぜか噺家がよくやる[なぞかけ]がネタに入って来る。例えばコンビ解散なんて話題になると「残ったボクとかけて、ボーリングと解く。その心は、どちらもピンを狙うでしょう」 古風といえば古風だけど、やたらやかましい最近の漫才に食傷している私にはこういうコンビはうれしい。

        ピンといえば、いつも和楽社中の翁家和助が、この日はピンで。[暮らしに役立つ曲芸]とかで、スーパーの帰りに雨が降ってきたらと、両手にレジ袋を持ってオデコに傘を立てて歩く。おいおい、それじゃあ前が見えないじゃないか!(笑)

        ゲストの柳家喬太郎は「ゲストだから花形大賞とは関係ないのでノビノビとやらせてもらいますよ」と北海道の倶知安の学校寄席へ行った話などマクラを実に楽しそうに話す。たっぷりのマクラで「なかなか落語を演らないので、怒ってません?」と客席に問いかけながら『初天神』へ。このところ遊雀が演る大爆発の『初天神』に影響されてか、多くの若手がこの噺をいじりだしている。喬太郎も実に喬太郎らしい子供を登場させた。団子をねだる子供がやはり一筋縄ではない。「今、ここで団子1本買わなかったことを、あとで後悔させてやるからな」と叫ぶや、人通りもはかばらず泣き叫ぶ。通行人を味方に引き込むのは遊雀版以上のてだれだ。

        ステファニー小泉ポロンのマジック。カード当てが手が込んでいる。客に引かせたカードを絵に描いて当てるというものなのだが、カードの種類、選ばせた紙の色、選ばせたマジックインクの色までを、あらかじめ客に預けておいた封筒の中のものと一致させるというもの。目的のカードを引かせる手はあるし、紙の色を一致させることもできるが、マジックインクの色までの三段構えとなると、はてさてどうやったのだろうと帰りの道すがら考え込んでしまった。う〜ん。

        イワイガワは、漫才師がコントに転向しようとするが漫才師の癖が治らないというコント。ファミレスのコントをやろうとして、自動ドアが開くと出囃子を鳴らし、手を叩きながら「どーもー」と入って来てしまう(笑)。

        トリは三遊亭丈二。「銭湯に行きますと、よく背中に刺青を彫った人を見かけますが、あれは見せびらかしたいでしょうねえ。だって刺青入れる金があるんなら家に風呂があるだろうと思うんですよ」 「大阪に行くと電車のドアに『指詰め注意』って書いてあるんです。なんだかドキッとしますよね。これが京都へ行くと『指をお詰めにならないように』って」 こんなマクラから『極道のバイト達』へ。この噺を聴くのは二回目だが、後半に出てくる女子大生が可笑しい。「あのー、ヤクザって広島と大阪、どちらが本場なんですか?」 「お好み焼きじゃない!」

        それにしても、あの小泉ポロンのトリックは、いったいどうやったのだろう。 


May.4,2008 ガチンコ勝負、ミステリ落語

4月27日 錦之輔改メ六代目古今亭今輔の創作ミステリ落語の世界 (人形町翁庵)

        この春、真打昇進し、六代目古今亭今輔という大きな名前を継ぐ錦之輔の創る新作落語は、今までの落語という概念では収まりきらないものを持っている。錦之輔さんとの付き合いは4年前の第3回翁庵寄席に上方から桂小春団治師匠をお迎えし、錦之輔さんとの二人会という形で出てもらったのが最初。そのあと第8回翁庵寄席にもご出演していただいた。また、年二回の瀧川鯉橋勉強会『鯉のつなわたり』のゲストにも一度来ていただいたことがある。錦之輔時代最後の会を何とか私の手で開けないものか。錦之輔さんの作るネタの中に探偵が出てくるシリーズがある。金田大五郎という探偵を主人公にした一連のシリーズ。これが私は面白いと思うのだがなかなか聴く機会がない。そうだ、この際、ミステリ小説好きの人をお客さんにしてしまってはどうか。私は昔からSRの会というミステリ・ファン・サークルに入っていて、学生時代から社会人になってからの計5〜6年ほどは、ここで発行している機関紙の編集長までしていたことがあるのだ。久しぶりにこの会の人たちに連絡を取ってみると、錦之輔さんの落語に並々ならぬ関心を示してくださった。よ〜し、他にやる人がいないなら私がやってやろうじゃないか。

        錦之輔さんのスケジュールを抑え、久しぶりにチラシまで用意して宣伝する。SRの会からは20人くらいの参加者があると知らされた。あとは十数人集めればいい。知り合いにも声をかけるとすぐに何人かが観たいと言ってくれた。そのあともチラシを見たのか、『東京かわら版』を見たのか、電話で予約が何人か入る。さて、いったい何人くらいの人が集ってくださるのか、こんなに予想がつかないのは初めてだった。当日蓋を開ければ、来るわ来るわ、予想外の大入りになった。

        なにせ、三分の一がミステリ小説好きのお互いが顔見知り。客席は開演前から温まっている感じ。これはいい。

        まずはいつものように、立命亭八戒による開口一番、お得意の『つる』。この人の『つる』は実は[つる]ではない変化球なのだが、すれっからしの落語好きには大受けする噺。あまり落語を聴いた事ないお客さんにはどうかと思ったが、いやいや受けている。

        古今亭今輔一席目はネタ出ししていた『暗号地獄』。さすがにミステリ好きのお客さん、暗号を解いてやろうという意気込みが伝わってくる。私も4年前に一度聴いただけなので、この暗号トリック、かなり忘れていたなあ。この噺のサゲはやはり暗号になっているのだが、あとでご本人「あれ、落語をよく聴いている人でないとわからなかったですかねえ」と言っていたが、大丈夫、ちゃんと伝わったはずだ。

        二席目は古典の『持参金』。不安の様子のご本人に「大丈夫、今日のお客さん、落語マニアじゃないから、この噺知っている人はごくわずかだから、自信を持って演れば必ず受けるから」と送り出す。案の定、受けまくっているではないか。いやそれより私はこの人の演る古典を初めて聴いた。いやいや、どうしてどうして上手いじゃないの。さすがだねえ。

        三席目に入る前に私が出て、この会を演ることになった経緯を喋り、今輔師匠に出てきてもらって話を伺う。こう書きながらも、この日のことを錦之輔さんと書くか今輔師匠と書くか迷ってしまう。本人も言うところでは、この日の時点はグレー・ゾーン。披露パーティは終わっているので今輔でもいいのだが、披露興行は5月からだから、まだ錦之輔でもあるのだ。しかも、今輔というのは先代が偉大だっただけに呼び方に困る。今までは「錦之輔さん」とか「錦之輔くん」と呼んでいたのだが、これからは「今輔さん」とか「今輔くん」とは呼べない。なにせ大きな名前だもの、当然「今輔師匠」となる。この一日、「錦之輔さん」と「今輔師匠」をゴチャゴチャにして呼んでいた。う〜ん。今まで作った噺をあれこれと紹介してもらって、お客さんに「どうですか? もっと聴きたいでしょ!」と煽る。みなさん目をキラキラと輝かせている。

        さて三席目は5年前に一度だけ60人くらいのお客さんの前で演って以来、お蔵にしていたという『六角館の犯罪』。こちらは横溝正史の『犬神家の一族』を下敷きにした本格ミステリ落語。岡山という地名が出てきただけで爆笑が起こったのは、さすがにミステリ好きのお客さんならでは。理系出身の師匠ならではの展開にびっくりの連続。そのあまりにもの展開に笑いが起こる。

        ハネてから、人形町のタウン誌の取材が入って今輔師匠と一緒に大いに語る。5分〜10分ということだったのだが30分くらい話してしまう。この雑誌が出るのが6月だということでメクリも今輔にしたし、記事も今輔になる。この日は錦之輔最後の高座であり、今輔最初の高座にもなった。いよいよ5月からは真打披露興行が始まる。六代目古今亭今輔の誕生だ。今輔師匠には先代のことに囚われずに自分の世界の噺を作り続けていって欲しい。師匠の噺は時に聴く人を選ぶ噺だったりすることがある。『六角館の犯罪』のように一度だけ演ってお蔵なんてというのじゃあもったいないではないか。それじゃあ、そういったお客さんをこちらが集めればいい。実はこの『古今亭今輔の創作ミステリ落語の世界』、今回だけではなく、その2、その3と続いていくことになりそうなのだ。



May.3,2008 二人だけの寄席

4月26日 ますだおかだ15周年記念単独Live
       ますだおかだ寄席 (草月ホール)

        開場に入ろうとして、[ますだおかだ寄席]の文字にびっくり。なっ、何? チケットを取ったときには単独Liveとしか知らされていなくて、いったい何事かと頭の中が[?]だらけになって席に着けば、二番太鼓が鳴って幕が開く。するとそこに高座が用意されていて、着物姿の岡田が出てくるではないか。おいおい、岡田が落語を演るのか? というのはフェイント。岡田が座布団返しをして、めくりをめくると、そこには増岡亭増田の寄席文字。替わりに増田が出てきて落語を始めた。ますだおかだの増田といえば、去年、『芸能人落語研究会』のDVDの中で新作落語を一席披露している。とすると、あそこで演っていた『韓流にハマって』を演るのかなと思っていたら、これ、どこかで聴いた噺。あああっ! 立川志の輔の『親の顔』ではないか。志の輔のオリジナルにほとんど変更を加えないで、そのまま演っていた。いやあ実に堂々としている。しかもしっかり笑いが取れている。漫才で鍛えた話芸で落語も自分のものにしてしまった。

        お次は岡田の漫談。綾小路おかまろの名前で、綾小路きみまろみたいな衣装を着て登場。扇子を持って舞台の上をウロウロと歩き回りながら話をする。自分の生い立ちから今までの自叙伝のようなもの。「こうみえても私は、リトルリーグ時代、当時ピッチャーだった清原と対戦したことがあるんですよ。結果はスリーバント失敗。それもランナーを送るとかスクイズではなくてセイフティバント。セイフティなんていってちっとも安全じゃなかった」

        ようやくふたりの漫才。お笑いブームをいろいろな業種が取り入れたらというネタ。「今に学校がお笑いを取り入れるようになるね。授業は1分単位で先生が変わる。終わるとカーペットが流れる」 「ピンクカーペットやないか!」 「一番良かった先生があとでもう一回できる」 このあと葬儀屋がお笑いブームを取り入れるというブラックなネタに入るのだが、これなどテレビでは難しいかも。それに相当に今のお笑い芸人のネタを下地に知っていないと笑えないので、聴く人を選ぶネタになっていた。

        藤崎マーケットを真似て、ランニング姿で登場したふたり。増岡マーケットなんだそうな。♪なんか寂しい〜というキーワードでネタを披露していた。

        ジャグリング・イッセー岡田というめくりが出て、おおおっ!岡田がジャグリングと期待したら、曲芸の道具を使っての一発芸。

        増田の物真似。河村隆一『Love Is』、サザン桑田『栞のテーマ』、井上陽水『少年時代』、中村雅俊『恋人も濡れる街角』、さだまさし『北の国から』、松山千春『恋』、尾崎豊『I Love You』、浜田省吾『もうひとつの土曜日』。物真似としても上手いが、なんだか増田が気持良さそうに歌っているなあ。

        アフレコ漫才。『もーれつア太郎』のアニメに出鱈目なアフレコをつける。

        エンディングの漫才。ふたりが相方の子供が書いたと称する日記を読みあうといったネタ。「おとうさんがディズニーに連れて行ってくれると言いました。ランドかシーか期待していたら、中国のディズニーランドでした」 「贋物やんか! 中国まで行ったら飛行機代でもっと金がかかるぞ!」

        挨拶。増田が昨年落語に挑戦してみてもどうにも自分の中で燃えるものがなかったが、機内放送で志の輔の『親の顔』を聴いて、なんて面白いんだろうと感じ、志の輔に逢いに行って許可を貰ったときのエピソードなどを披露してくれる。増田、どうやら落語に対して本気になっているようだ。うかうかできませんよ、本職の落語家さん。


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