直線上に配置
2009年8月2日浅草演芸ホール夜の部
 もろもろの心配事があって、寄席通いの足が遠のいていたのだが、ようやく集束というか、まあなんとかなるかという光が見えてきた。日曜夜7時。これからどこかの落語会に行ってみようか。しかし7時じゃどこも始まってしまっているしなあ。こういうときはやっぱり寄席の定席。うん、浅草演芸ホールにしよう。

 小屋の前に着いたのが、そろそろ8時近い。1時間ちょっとしか観られないけど、まっいいか。

 高座には古今亭寿輔がちょうど上がってきたところだ。いつものマクラを話しているうちに、客席の中年女性に目が行ったらしい。「こちらの方、○○さんという人で、もう30年来のお客さん。私のネタ、みんな知ってらっしゃる。間違えたりすると、みんなわかっちゃう。やりにくいったらない」なんて言いながら、『釣りの酒』へ。
 釣りをまったく知らない男が、釣り好きの先生のところへ行き話を合わせて酒を飲ませてもらおうという話。「どこの川で釣りますか?」 「天の川で」 「一番大きな川で釣ったのはどこですか?」「チグリスユーフラテス」 このあと下ネタ満載の噺になるのだが女性客の反応がよくてケラケラ笑っている。

 二人になってしまった東京ボーイズだが、新ネタを増やしているようだ。この日も秋元順子の『愛のままで・・・』、秋山雅史『千の風になって』、テレサ・テン『つぐない』などをネタにしていた。新生東京ボーイズは面白いことになりつつあると思う。

 三遊亭遊三もいつものマクラから『不精床』で確実に笑いを取る。安心して聞いていられる。久しぶりの寄席ってこういうのにほっとするなあ。

 川風につい誘われて涼み船
 春風亭美由紀の俗曲も、こんな夏の日ぴったりで気持ちいい。戯れ歌をいくつか演ってくれて、東京音頭。これぞ東京の夏だ。

 トリは桂南なん。おお、『水屋の富』だよ。別に力いっぱいの熱演をするでもなく、さらっと演る『水屋の富』にしみじみと聞き入ってしまった。サゲの「おれの八百両! ・・・これでゆっくり眠れらあ」も、さも安心しきった水屋さんの心情が伝わってくるよう。

 私の方もまだまだ心配材料はあるのだが、とりあえずこれでゆっくり眠れそうだ。

2009年8月23日記

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置