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2011年1月2日新作落語お正月寄席(プーク人形劇場)

 出かける前にバタバタしてしまって、家を出るタイミングが遅れてしまった。前座の三遊亭はら生がネタに入るところで客席に滑り込む。偽札作りの犯人が新一万円札の図柄を予想する、『偽札のススメ』。お札といったら福沢諭吉というわけで、福沢諭吉がらみで次々と笑わせていくのが面白かった。

 三遊亭ぬう生は風邪をひいているとかで辛そうだったが、噺に入るとシャキッとして『大人の絵本』。高校生がクラブ活動の上級生に命令されて、エロ本を買いに行く噺。

 春風亭百栄『誘拐家族』は以前に確かラジオデイズに入っていて、それを聴いた記憶がある。このところラジオデイズから百栄のものが無くなっているのが気になるのだが。中学生の女の子を誘拐して身代金50万円を要求する犯人と、誘拐された女の子とのやりとりが妙に可笑しい。

 三遊亭丈二『大発生』は、あるとき島の住民の中村さんの割合が大発生してしまい、それを駆除(?)しようとする噺。中村さんの天敵の名字の人を集めて、ってこういうナンセンスな発想はいかにも落語らしい。

 柳家小ゑん『アセチレン』。新宿にあった歌声喫茶[ともしび]に懐かしさを憶えた主人公が新宿で[ともしび]を捜すが見つからない。ええっと、[ともしび]はまだ営業しているはずです。念のため。代りに見つけたのが、「あなたの心に火をともす」というキャッチフレーズの[アセチレン]という喫茶店。ここでは集まった人たちが、心温まる話をしあう場所。ところが、ここに柳田さんというがいて・・・。

 古今亭今輔『札ー1グランプリ』は去年耳にしている。はら生の噺とちょっと被るぞ(笑)。太宰治、坂本龍馬、織田信長が、お札の肖像画候補としてオーデションを受ける噺。ひょっとすると去年作って一番自信がある噺なのかも。確かによく出来ていると思う。今輔らしい雑学知識もふんだんに取り込まれているし。

 トリは三遊亭円丈。最近では柳家喬太郎版でしか聴くことのなかった、もう30年以上前の作品『稲葉さんの大冒険』。あっ、小ゑんでも聴いたことがあるな。聴いていて、これがオリジナルなのかの思いがある。駅前で貰ったピンサロのマッチを家に持ち帰ると大騒動になると思った稲葉さんが、そのマッチを捨てようとして、話が逆に雪だるま式に、おおごとになっていってしまう様が面白い。さすがに喬太郎や小ゑんはマッチをティッシュに変えているが、円丈版ではマッチ。時代を感じるが、そういう時代だったんだよなあ。

1月5日記

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