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2010年1月23日よってたかって新春らくご21世紀スペシャル寄席ONEDAY(よみうりホール)

 開口一番前座さんは柳亭市也『高砂や』。頑張ってね。

 三遊亭白鳥は、『ピンピンマン』改め『ギンギラX』。売れない薬局の老夫婦がホレ薬として売り出した薬品を買った男が巻き起こす新作落語。前半で仕込んだ何とも奇妙な伏線が、後半で次々と効いてくる。最近の白鳥の創作術をみごとに取り入れた傑作。凄いとしかいい用がない。

 桃月庵白酒『佐々木政談』。子供が出てくる噺はなんたって得意にしている白酒だ。外すわけない。これもさすが。

 柳家三三『鮑のし』は、うまいところを突いてくる。甚兵衛さんに口上を教えるおかみさんとのやりとりが可笑しい。口移しで教えるおかみさんに、うまく憶えられなくて、「シクシク泣かない」「あきらめない」「手を抜かない」との反応が返ってくる。さてさて大家さんちへ行けば、またうまく喋れないで立ち往生。大家さん、「大きく息を吸って。吐いてぇー。目をつぶって、開けてぇー」と落ち着かすのに懸命。「がんばれ」「シクシク泣かないでいいよ」の言葉に励まされ、ようやく口上を終える。「はなまる、はなまる」 可笑しいなあー。

 トリの柳亭市馬『竹の水仙』。マクラでたっぷり彦六のことを話してから噺に入る。序盤で馬子歌をサービスするのが市馬らしいっちゃ市馬らしい。とにかくこの人の落語はリズムと声がいい。スーっと気持ちよく聴けてしまうのだ。こういう噺の終盤の盛り上げも上手い。

 ちなみにこの日の朝の芸能報道で、ある落語家の結婚話が新聞をにぎわしていたので各演者がそのことをいじるいじる。詳しくは書かないけどね。インターネットだって節度は必要でしょ。

2月3日記

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