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2009年10月24日よってたかって秋らくご 夜の部(よみうりホール)

 開口一番前座さんは入船亭辰じん『手紙無筆』。頑張ってね。

 「昼の部のネタ帳を見ましたら、川柳師匠『ガーコン』、市馬師匠『掛け取り美智也』。どうやら歌謡大会だったようでして」と柳家三三『不孝者』に入る。あれ? 二年前にやはり、ここよみうりホールで三三を聴いたときも『不孝者』だったな。

 柳家喬太郎、出てくるなり「本格派の噺家さんは、今の三三さんまでですよ」と笑いを取る。「秋落語というタイトルで観に来られたお客様もいらっしゃるでしょうが、秋を季節にした落語って少ないんですよ。『目黒のさんま』くらいでしょうか。昼の部では市馬師匠『掛け取り』ですよ。これはもう年末の噺。『目黒のさんま』、このあとの百栄さんはまず演らないでしょうね。トリの白鳥師匠は演るわけがない。私もね、『目黒のさんま』は出来ない。『目黒のさんま』を聴きたかった方、ごめんなさい」 このあとマクラ25分。地方営業の話、電車内風景、煮詰まったカップルと、いつまでも続く。これが楽しいのだ。ようやく始まったのが『ほんとのこというと』 先月聴いたばかり。

 春風亭百栄『状況説明窃盗団』。これも先日聴いたばかり。デパートの北海道物産展に忍び込んだ泥棒。ベタなダジャレが五連発で並ぶところが面白い。ソフトクリーム、ホタテカレー、海鮮弁当、コマイ、利尻昆布。今でも思い出し笑いが出る。

 三遊亭白鳥『任狭流山動物園』。初期のころは三味線代わりにウクレレを持ち込んで、出鱈目のコードをかき鳴らしながら浪曲らしきものを唸っていたが、今回は下座さんを高座に上げて曲師にしてしまった。「仲入りのときに10分で打ち合わせして本番という、三題噺よりも危ない芸」と白鳥自身が言うように、本当に危ない噺。それが楽しいんだけどね。下座のお姉さんの本当に恥ずかしそうな姿が印象的。

10月25日記

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