2009年8月15日『怪談牡丹燈籠』(シアター・コクーン) いのうえひでのり演出とあって、さまざまな工夫が凝らされているが、脚本はあくまでオーソドックスといった印象。このへんが劇団☆新感線のときと違う。 『牡丹燈籠』の一番有名な部分の舞台化。つまり『お札はがし』と『お峰殺し(栗橋宿)』。これを二幕で上演するというもの。 客席通路を花道として多用したり、回り舞台を多用したりと、演出がダイナミック。舞台美術、照明、音響をうまく使っているのに感心した。 役者の演技も熱演が目立つ。ここでは主役といっていい伴蔵(段田安則)とお峰(伊藤蘭)が全体を引っ張っている。蘭ちゃんかわいい! お目当てだった馬子の久蔵役の市川しんぺーの出番が少なかったのが、やや不満だったが、コメディ・リリーフの役をしっかりこなしていた。もっと笑ってやっていいところなのだが、真面目に受け取っちゃったお客さんが多かったのかも。 脚本も原作の台詞以外にもいろいろといい台詞が入っていて、いいなあと思うのだが、タイトルにあるように無理矢理に怪談としてまとめようとしていて、原作とは違う展開になっている。そこが、やや不満といえば不満なのだが。まっ、しょーがないか。 2009年8月30日記 このコーナーの表紙に戻る |