2009年11月22日テアトル・エコー『お手を拝借!』(エコー劇場) チケットを出して、いつものように扉から客席に入ろうとしたら、「こちらの方へおいでください」と通路の奥に案内される。と、そこは下手の舞台袖。「えっ、えっ、どういうこと?」 舞台には土足で上がってはいけないという話を聞かされた経験もあり、戸惑う。そっと舞台の階段を下り客席に向かう。開演前の客席からお客さんがこちらを観ている感じがする。恥ずかしい。 芝居は自然に始まってしまう。遅れてきたお客さんはどうするんだろうと心配になってきたが、なんと芝居が始まって10分ほどたったところで、熊倉一雄がお客さんを案内して下手から現れた。これもしっかり演出意図。そうそう作・演出はラサール石井。 なぜこんなことをしたのかというと、これはネタばれになってしまうとしか書きようがない。ラサール石井は作品全体にトリックを施していたのだ。それはもう最後になるまでわからないようになっている。 途中、休憩を入れて約3時間。飽きることが無い。おそらくテアトル・エコーをモデルにしたらしい劇団裏話裏事情を軸に、時間軸を往ったり来たりする。花道に見立てた客席通路は大活躍だ。私の席は通路ぎわだったせいで、通路を走ってくる役者さんの足がやたらと私の肩にぶつかる。それがまたいい意味のスキンシップでうれしい。 新旧世代の役者さんが同じ舞台に上っていて、これも楽しい。小劇団って同じ年頃の役者さんばかりが出てくるってこと多いものね。 12月12日記 このコーナーの表紙に戻る |