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客席放浪記

第39回白酒ひとり

2014年5月13日
国立演芸場

 開口一番前座さんは、今回も柳家さん坊。白酒から、ちゃんとマクラをやるようにと言われているから、前座さんでもマクラがある。浅草に修学旅行に来ている高校生のスケッチ。やはりマクラは誰のものでも楽しい。噺に入って『子ほめ』

 桃月庵白酒、一席目は仕事で九州に行ったというマクラから『浮世床』。将棋の部分と本の部分。将棋の歩の駒が一枚足りなくて、アブラムシの死んだのを歩代わりにして指すというのが、やけに可笑しい。別にアブラムシの死骸以外にも駒の代わりはあるだろうに。ウハハハハ。

 二席目が『二階ぞめき』。吉原ごっこをやる若旦那がカワイイ、カワイイ。様子がおかしいので見に行かされる定吉がまたカワイイ。マクラなどの発言で、毒舌家と言われる白酒だが、噺に入ると出てくる登場人物がみ〜んなカワイくなっているんだから可笑しい。しかも、あの体型の白酒だから余計に可笑しいのかもしれないな。いつも書いていることだが、白酒のは毒舌じゃなくて、茶化しているだけ。子供っぽいようなところがあって、悪意はないのだよ。

 仲入り後の三席目は『化物使い』。前半部分での口入屋のところでのクスグリ。「上野で団体の会長が欲しい・・・あまり歌、歌っちゃだめだよ」。ねっ、こういうの毒舌じゃなくて、特定の落語家を茶化しているだけ。そうかと思うと、いよいよ化物が出てきて、一つ目小僧、大入道のあとが、小三治! 小三治を化物にしちゃったよ。これだって、茶化しているだけだよね。

5月15日記

静かなお喋り 5月13日

静かなお喋り

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