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2010年12月19日古今亭今輔ひとり会 落語大将軍’10冬の陣(なかの芸能小ホール)

 開口一番前座さんは柳亭明楽。なんとここ地元、中野の出身なのだそうだ。地元のファーストフード・ショップでアルバイトしながら、「いつかはこの舞台に立ちたかった」って、座ってますけど。「でも本当は今輔師匠に中野ZEROホールでやって欲しかったですね。あっちは定員1000人ですから」。ネタは『手紙無筆』

 古今亭今輔の一席目は『サンタのせいじゃ!』 クリスマス・イブに組事務所で留守番をしているアニキとヤス。「私がひとりで留守番してますから、アニキ、デートに行ってもいいっすよ」とヤスが気を使っても、実はアニキには彼女がいない。しかたなくふたりでイブを過ごしていると、この組の組長の45歳になる息子がやってくる。この男がいまだにサンタクロースの存在を信じているというナンセンスな話。実際には「ありえねえー」なのだが、こういう可笑しな発想ってどうやって生まれてくるのだろう。

 二席目古典。先代も演っていたという『旅行日記』という噺。7年前と5年前に泊まったことがあるという旅館に友人を誘って泊まった男。過去二回とも、おいしい鍋料理が出たので、そのことを旅館の主人に話すと、驚きの事実を聞かされる。そしてオチがブラックユーモアたっぷり。こんな面白い噺、今は演り手がいなくなっているとは惜しい。

 三席目がネタおろしの新作『交渉人MAX』。子供が誘拐され、凄腕の交渉人が犯人と電話のやり取りを開始する。交渉人の名前は、ジョン・真室川。真室川でマックスなのか? 犯人の名前は、当然本人が言うわけないので、真室川が一方的にモロヘイヤと名付けてしまい、主導権を奪って、犯人を翻弄して追い詰めていくサスペンス。ここでもナンセンスなギャグが、これでもかと注ぎ込まれ、最後まで引っ張って行く。ストーンと落ちるサゲも決まって、うーん、今輔らしい噺になっていた。

12月25日記

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