2010年11月7日六代目古今亭今輔の創作ミステリ落語の世界6山田風太郎トリビュート 今輔師匠が今年の風太郎祭で落語を演るという。山田風太郎原作の『忍法相伝64』を落語にして乗りこむという気合いに、「よし、こっちも乗った」である。山田風太郎祭のあとで、ウチでもやってもらおう。となると、もう一席はズバリ『ぼくの彼女はくノ一』。 落語会当日。朝から準備に追われる。12時30分から設営開始。このところ30分以内で設営は終わってしまうんだよねえ。 13時すぎに、今輔師匠が新宿末廣亭の高座を無事に終えて楽屋入り。続いてゲストの小宮孝泰さんも楽屋入りだ。 14時定刻開演。私が前説で10分ほど喋ったあとに、立命亭八戒。おおっ、きょうは『後生鰻』ですか。鰻の代わりに、赤ん坊の前に、すっぽん、どじょう、イルカを持ってくるあたり八戒調。「イルカかあ、殺してもいいや」ってアブナイでしょ。 古今亭今輔師匠の一席目はその『忍法相伝64』。8月に今輔のひとり会で演ったものを前半部を整理したという印象。しかしまた聴いてみても、これこそ山田風太郎が、今輔に「これを落語にしてやりなさい」と残したんじゃないかという気がするくらいに壺にハマった噺。これからも持ちネタのひとつになるでしょう。 小宮孝泰さんは仲入後に登場。テレビドラマのミテスリ物に出演した経験談をマクラに、『悋気の独楽』。浮気をしている旦那さんのあとをつける定吉が忍者のよう。忍者のように壁に張り付いている定吉に、旦那が「霧の遁兵衛か!」って、隠密剣士世代だね。 古今亭今輔の二席目は、師匠裏の十八番『ぼくの彼女はくノ一』。結婚相手の彼女は忍者の末裔。彼女と結婚するには3人の忍者と対決しなればならない。かくして闘いの火ぶたは切られたって、なんちゃって忍法帳なんだけど、今輔師匠の遊び心溢れる傑作。私も支持するぞー! 11月10日記 このコーナーの表紙に戻る |