2010年8月7日月影番外地『ジェットの窓から手を振るわ』(ザ・スズナリ) 脚本・千葉雅子、演出・木野花、出演・高田聖子、坂井真紀、宍戸美和子、渡辺真起子の4人だけという女性だけで作られた芝居。 4人のアラフォー女性の物語。根津あゆこ(高田聖子)は空港内のおにぎりチェーン店で働いている独身女性。といってもなぜか店員は彼女ひとりらしい。四十路を迎えて、このまま貯金と年金で老後を過ごそうかと考えている。その彼女の周辺に3人の四十路女性が絡んでくるといったストーリー。 なんだかありがちな、飛べない女が飛ぶことを決意をするという構造の作品で、私にはあまりピンと来なかったというのが正直な感想。このへんが男である私との違いなのだろうか。 それでも私なんかも、こういう平凡で、ただひたすら仕事に追われる生活を長年続けてきた男だが、貧乏でも芝居をやっている役者さんなんかを見ていると、私にもそんな選択肢はあったんじゃないかと思えてきたりする。なにしろ人生は一回きり。好きなように生きたほうが悔いは無いんじゃないかと思うこともある。 でもねえ、平凡に仕事をして暮らす。そんな愚直な生き方ってのもあるんだと思うわけですよ。高田聖子の主人公は本当に今までの生活を打ち切って飛び立ってしまう。それを否定はしないけれど、そうですか、それはご勝手にってという感想しか持てない私なのだ。 とはいえクライマックス、結婚式の余興で4人がCAの格好をして歌い踊るところはワクワクした。なにせ『ジェット最終便』なんだもん。♪赤い 赤いランプのジェット便 他人 他人同士の暗いイス暗い窓暗い影・・・ 朱里エイコ、1973年のヒット曲。やっぱり70年代歌謡はいい。でもー、もう37年前だよう。これ、今のアラフォー世代というよりアラフィフ世代じゃないかあ。えへへへへ。 8月18日記 このコーナーの表紙に戻る |