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2009年8月29日 衣知会 夏忘れ落語会

 浜町の和服屋さん萌(もえぎ)さんのカルチャークラブ衣知会(いちえ)が主催する落語会。そのお手伝いをしている。

 前座役を引き受けてくれた立命亭八戒さんと開場1時間前の12時30分に会場入り。高座の設営にかかろうとしたら、もうすっかり出来あがっている。衣知会さんのスタッフが、もう過去二回の経験ですっかり要領を会得してくださったよう。もう私たちがやることといったら、客席の微調整と下座の確保くらい。翁庵関係の落語会のチラシを置いていって準備万端。

 13時15分。本日の出演者、春風亭一之輔さん楽屋入り。簡単な打ち合わせを済ます。

 定刻開演。前座の立命亭八戒は、もう手慣れた『一目上がり』。軽快にクスグリを入れて、サゲは彼独特のもの、これが可笑しいんだ。

 「高座というところは意外と暑いんです。コンビニにホットボックスとでもいうのでしょうか。コロッケやフライドチキンを入れて暖かくしているやつがあるでしょ。あの中の商品になったような心境なんです。いつ売れるともわからない落語家を照らしている」 春風亭一之輔の一席目は『青菜』。この噺の面白さは、はやはり前半の仕込みが後半に生きてくるところにある。「そのコップでおあがり」 「えっ、これはシャケの空き缶じゃないか!」

 仲入りでお茶とお菓子が配られて、「二席目は客電を落としてください」との春風亭一之輔さんの指示。春に、「何か怪談噺を」とリクエストしたときに、「私は怪談噺なんかできませんよ」と言っていたので、「『お化け長屋』でも『お菊の皿』でもいいですよ」と答えておいたのだが、蓋を開けてみたらば、なんと『豊志賀』。客席は水を打ったようにシーンと聞き入っていた。さすが!

 終演後、一之輔さんとの歓談コーナー。お客さんからの質問に一之輔が答える。質問者など出ないかと思いきや、次々と質問が飛ぶ。なぜ師匠として一朝師匠を選んだか。一年に何席くらい新しい噺を憶えるのかなど。羽織の紋は自分の家の紋なのかという質問に、もちろん自分の家の紋を入れたりもするが、一門の紋というものがあって、それを入れたりもするし、自分で考えた紋を入れる人もいる。中には贔屓筋が自分の紋を入れたものをくださることもあるそうで、うーん、そんなお旦になってみたい。

2009年9月13日記

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