直線上に配置
2010年2月7日瀧川鯉橋の落語会in日本橋亭

 瀧川鯉橋の高座は最近落ち着いてきたなあと感じる。一席目も、「結婚式の余興に落語を頼まれまして、笑いが多いのがいいだろうと『時そば』を演ったんですが、これが失敗でした。前半はいいんです。後半になって、丼が割れてるとか、箸が割ってあるとか禁句がたくさん出てくる」なんてマクラを振って『松竹梅』。うまいね。噺も朝青龍問題などをうまく折り込んだりして、余裕だね。

 ゲストが三笑亭夢吉『蜘蛛駕籠』。夢吉も鯉橋と同じ二ツ目だが、こちらも落ち着きが出てきたいい高座だった。こういう噺で着実に笑いが取れるのは実力がついてきた証拠。

 瀧川鯉橋の二席目は『味噌蔵』。こちらも抜群のマクラだ。「ウチの師匠(鯉昇)は楽屋で残った余分なお弁当を必ず持ち帰るようにしています。『日持ちのするものはあとでいいから、先に日持ちのしないものを食べるようにな。揚げ物、焼き物は大丈夫だ、日持ちするからな。煮物は最近塩味が薄くなっているから早めに。マヨネーズ和えは案外足が早いぞ。ごはんは、カビが生えても洗えば食える』 こんなマクラを振られると、しわい屋けち兵衛が鯉昇師匠にダブって見えてきちゃうじゃないか。

2月17日記

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置