2012年1月28日『せめ達磨・激闘編vol.36』(なかの芸能小劇場) 林家きく麿と三遊亭ございますのコント。というか、この会のタイトルが変わるという告知。SWAが終わり、無限落語が終わり、新作の会が無くなっていく中で、せめ達磨はどうするか。どうやら激闘編というサブタイトルだけ変えて続行らしいっていうことをコントで見せる。まあ、続くってことね。 三遊亭ぬう生の『給食費』は、給食費未納生徒の家族を家庭訪問する教師の話。給食費を払えるのに払わない保護者が多いと聞くが、そんなテーマを笑いで繋いでいく。 桂三四郎は上方の噺家さんらしい「おかん」ネタ『十七歳』。東京では母親をネタにするということは少ないが、上方の人ってどうしてみんな母親をネタにするのか。上方では鉄板で笑いが取れるのかもしれない。十七歳の息子が彼女を家に連れてくると、母親がいらぬお節介をするのだが、それがことごとく外れているといった噺。 古今亭今輔は、『ワールド・クイズ・クラシック』に出場した裏話で場内を沸かせてから『宇宙修学旅行』。今や修学旅行に海外に行く学校が増えているが、未来には宇宙旅行に行く学校があるのではないかという噺。火星に着いた高校生、土産物屋もなくひたすら荒涼とした景色に飽きてしまう。他校の生徒と喧嘩を始めるが、これが異星人。宇宙と修学旅行をからめたところが、妙におかしい。 三遊亭天どんは、天どん自身がモデルのような落語家が、行きつけのそば屋で落語会をやると聞くが、なぜか呼んだのは古典派の古今亭菊六。「なんで私を呼んでくれないのー」と新作派の天どんの叫びをそのまま落語にしたらしい『私をそば屋に連れてって』。ホンネがチラチラと見えて面白い。 古今亭志ん八は『ラッキーアイテム』。就職の面接に占い本に出ていたラッキーアイテム緑のハンカチを持って行った男の運命は・・・。ほのぼのいい話。 鉄道マニア鉄ちゃんの古今亭駒次は『都電物語』。昭和42年を舞台にした都電の運転手と鉄道好きの若い女性の噺。昭和53年生まれの男がよくぞこんなに都電について臨場感を持って語れるのかに感心。鉄っちゃんゆえとはいえでも、これは凄いやね。 1月30日記 静かなお喋り 1月28日 このコーナーの表紙に戻る |