2010年1月23日 鹿殺し『スーパースター』(青山円形劇場) ピカイチこと星川輝一(丸尾丸一郎)は、弟瞬一(オレノグラフィティ)と比較されて育てられる。父は弟をボクサーにしようと幼い時からトレーニングを課す。やがて歳月はたち弟はボクシングのチャンピオンに。ピカイチ漫画家になりたいという夢を持っている。いつかは連載を持つ売れっ子漫画家になりたいと漫画を描き続けているが、それらは全て他の漫画家の創作したキャラクターの真似でしかない。そんなとき、幼いころにいた、ブッチャーという人物をモデルに漫画を描き始める。 会場で配られたチラシによると、「この作品は、星を持つと信じているひと、星を持っていないと感じている人、10年目の自分たちへの応援歌として生まれました」とある。 小さいころ、将来自分は世間をあっと言わせる人物になるのだと、みんなが思っているに違いない。それが学校での生活、そして社会に出てからの挫折感などで、だんだん自分はスーパースターにはなれないということを感じていく人が大多数だろう。 自分は社会で、その他大勢でしかないと感じる。おそらく自分の一生はそんな人生なんだろうと思い始める。それでいいんだと納得する。それでも夢を諦めきれない人もいる。 観終わったあと、『アンヴィル 夢を諦めきれない男たち』を思い出していた。スーパースターになりたいという思いもわからないではない。夢を追うよりも現実の生活を固めた方がいいんじゃないのという気持ちもある。でも、夢を追いつづける人生ってのも悪くないのかなって思う 1月26日記 このコーナーの表紙に戻る |