2011年11月11日三遊亭白鳥創作落語集(横浜にぎわい座) 和服姿のだるま食堂と三遊亭白鳥のトークで幕開け。だるま食堂が渋谷のストリップ小屋、道頓堀劇場でコントで出た時のエピソードなどの爆笑トークで客席が盛り上がる。 前座代りの開口一番は鈴々舎馬るこ。NHK新人演芸大賞を逃したエピソードをマクラに『新一目上がり』。御隠居さんに掛軸のほめ方を教わるお馴染みの噺だが、全部現代的に変えてある。御隠居さんの家に上がり込んだ八っつぁんが『もののけ姫』のDVDジャケットを見て、突然小金井ゴミ戦争の話にもつれ込むので、おやおやと聴いていると、『もののけ姫』のサンと来て、うっ、うわーとなる。マニアックな滑り出しだぞと思っていると、四は長淵剛・相田みつお問題、五は鉄道マニアにしかわからないことと、あれよあれよの展開。最後は陶器の話。そして落語関係でサゲる意外性に、驚くやら感心するやら。もともとの噺が今ではピンと来なくなってきているので、こういう改変はいい。 三遊亭白鳥の新怪談『豊志賀ちゃん』。もちろん『真景累ヶ淵 豊志賀の死』がベースになったもの。まずは上。人間国宝三遊亭白鳥の弟子、三遊亭Q蔵に師匠が古典落語『野ざらし』のことを語るところから始まるのだが、これが後々の仕込みになっていようとは思わなかった。こういうサラリとしたギャグがまさか伏線になっていようとは。師匠から三味線の稽古をしろと言われたQ蔵は、三味線漫談の豊志賀に師事することになる。豊志賀の色気に負けたQ蔵が、豊志賀といい関係になってしまうあたりの、ギャグまじりの展開も聴かせる。そこへ、女性の落語家春風亭さくらが豊志賀のところへ三味線を習いに来るところあたりで、上が幕となる。 だるま食堂ののコントは例によって、セクシー・シンガー姿。だるま食堂を見るのは久しぶり。よく聴いていたネタとは大分変わっていた。女心を歌ったという『憎しみの歌』には笑った。スイング・ジャズの名曲『シングシングシング』もだるま食堂にかかると、♪シングシングシング 商店街の寝具店 お客さん いるとこ 見たことないよ・・・となってしまう。最後はもちろん『クイズでサンバ』。 三遊亭白鳥『豊志賀ちゃん・下』。いよいよ怪談部分に入るとのことで客電が落とされる。浅草の居酒屋に入ったQ蔵とさくら、話すうちにいいムードになっていってしまう。それを嫉妬した豊志賀の生霊が・・・って死んでないのかよ(笑)。クライマックスは生霊から逃れようと入った浅草演芸ホールで・・・。もうラストは怪談なのやらなんなのやら。白鳥らしい賑やかさ(?)。満腹満腹。 11月12日記 このコーナーの表紙に戻る |