2011年1月15日 志の輔らくごinPARCO2011(PARCO劇場) 一席目は『だくだく』。立川志の輔版の『だくだく』はサゲが違う。だくだくという台詞も出て来ない。だから、この噺を初めて聴いた人は、終演後のロビーに張り出された演目を見て、「なんで、だくだくなんだろう」と思うかもなあ。でもいかにも志の輔らしいサゲで私は好き。本来のサゲは、ややグロテスクだもんね。 二席目は2002年12月に演った『ガラガラ協奏曲』の改作『ガラガラ』。商店街の会長さんの狂気が前回よりもヒートアップしていて、面白くなっている。」「会長さん、最高」っていう会話があとで客席のアチコチから聞こえてきた。 仲入後は今年の新作『大河への道』。昨年長崎でシーボルト記念館に立ち寄ったという話から、実は5年前に佐倉の伊能忠敬記念館に行って感銘をら受け、伊能忠敬をテーマにした落語を作ろうとしたのだが、毎年今年こそはと思いながら出来なかったというエピソードが語られる。これだけで40分くらいあったろうか。これは落語なんだろうかと思い始めたころ、突然落語が始まった。NHK大河ドラマに取り上げられると観光客が押し寄せとふんだ千葉県の職員が、伊能忠敬を主人公にしたドラマの企画を立ち上げる噺。ラストは志の輔の伊能忠敬とその弟子たちのことを、「こうだったんではないか」という史観とでもいうものにのなっていて、「そうかもなあ」という気にさせられる。80分ほどある大作で、5年かかっただけのことはある力作だった。サゲのあとに後ろのスクリーンに日本の海岸線の映像が流され、サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』が。圧倒的な幕切れ。 やはり志の輔からは目が離せない。 このコーナーの表紙に戻る |