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客席放浪記

シソンヌライヴ『quatre 04』

2015年6月3日
恵比須エコー劇場

 今年1月以来、半年を待たずに行われたシソンヌの単独コントライヴ。いま、絶好調。
 タイトルは便宜上、私が勝手に付けたもの。

『想像して共有』
『電気製品に躾をする』
『オレのポテチどこ?』
『そのサークル辞めろよ』
『導かないで』
『コンビニの嫌な客』
『汚い猫』
『プレゼン』
『家族の計算式』

 前回に比べ今回は、シソンヌじろうが、どれだけぶっ飛んだキャラクターを演じられるかという方向になってきたような気がする。シソンヌじろうは地顔がややキツイ印象がある。テレビなどに出る時に丸眼鏡をかけているのも、そのせいかもしれない。メガネ無しのコントを観ていると、そのキツイ顔立ちが狂気を孕んでいるようで、異様な性格のキャラクターの不気味さが加速する。
 一番異様なのは『コンビニの嫌な客』。言語も不明瞭な、見るからに怪しい男がコンビニに入ってきて、商品を次々にカゴに入れてレジへやって来る。店員の態度にクレームをつけたりしながら合計金額を聞くと、今度はひとつひとつ棚に戻して行く。単にコンビニに嫌がらせに入ったようにしか思えないのだが、最後に「ほお〜」と思えるオチつく。
 『プレゼン』の男も異様。下着メーカーの新商品提案。星条旗デザインのブラジャーとパンティのほかに、各国の国旗をデザインしたものも作ろうというアイデア。国旗によってはこういったもののデザインには向かない国もあって、特に日の丸は・・・。
 『汚い猫』は動物病院の娘がストリートミュージシャンをしている。動物虐待とも思える歌を歌っているので父親は気が気ではない。
 『家族の計算式』は、中学生の研究発表。自分の家、家族の状態を算数にして表してみるという研究。どう考えても家族から虐待を受けているような風にしか見えない。ときどきスクリーンにサブミナル効果のように「S.O.S.」の文字が。

 お笑いコンビのコントは、多くの場合、その人の地の性格の延長線上にキャラクターがいるが、シソンヌじろうの場合、一本一本のコントのキャラクターを作り込んでいて、より演劇的。
 半年たたぬうちにもう単独コントをやるという意欲は凄い。昨年のキング・オブ・コント優勝はダテじゃなさそうだ。

6月4日記

静かなお喋り 6月3日

静かなお喋り

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