2010年4月4日鈴本演芸場4月4日夜の部 開口一番は古今亭折輔で『元犬』。志ん輔のお弟子さん。頑張ってね。 金原亭小駒は『ぞろぞろ』。そろそろ真打が近くなってきたこの人、実力もついてきたなあと感じる。 林家正楽の紙切り。鋏試しの[相合傘]に続いて、[小学一年生] [淀五郎] [長屋の花見]、そして私のリクエスト[お見舞い]。なんでこんなものを切ってもらったのかはひ・み・つ。 隅田川馬石の『鮑のし』は、珍しや冗談落ち。持ち時間が無かったのかしら。まあ、この日のトリは馬石の師匠の雲助で『百年目』とネタ出しまでしてある。『百年目』は尺が長いから、早めの時間調整? 橘家圓太郎を久しぶりに観る。この人の落語は、なんかリキが入っていて、こちらも元気になるんだなあ。うふふ。『強情灸』。こういうのこの人向きだね。 三遊亭小円歌の三味線漫談。「楽屋は老人ばっかり。ズボン履くときにみんな壁まで歩いて行くんですよ。壁を支えにしてズボン履くんですから。ムササビみたい」 柳家三三が休演で、代演は春風亭百栄。寿司屋のマクラから、なぜか『浮世床』。「おいおい、そんな(刀の)横幅じゃ前が見えないだろ」「前が見えないといけないから、小さな穴をポチポチ開け、スーパーで穴あき包丁の実演販売をする」 ふはは。 大空遊平かほりの漫才。おおっ、『山内一豊の妻』を漫才にしているぞ。漫才でこういうのを聴くと言うのも新鮮。 アサダ二世の奇術はパン時計。お客さんから腕時計を借りて、それを食パンの中から取り出すという奇術なのだが、これこそ寄席向きの奇術だろう。しゃべりで楽しませながら進行させるものだし。しかし私もそうだが最近は腕時計をしない人が増えたよなあ。 いよいよトリの五街道雲助で『百年目』。私はこの噺で好きなところがあるのだ。向島で芸者遊びをしているところを見つかってしまった番頭さん。一夜明けて、旦那が小僧に番頭さんを呼んでくるように言う。小僧が番頭さんに「旦那さんがお呼びです」と伝えると、イラついた番頭が「うるさい! 今行くから、そう言っておけ」と言う。小僧は番頭が言った通りの言葉をそのまま旦那に伝える。「番頭さんがそんなことを言うわけないではないか」 「いや、本当にそう言いました」 「仮に本当にそう言ったとしても、なぜ『ただいま伺いますと申しておりました』となぜ言えない」と説教する。これは会社でも同じ。上司の言った言葉をそのまま伝える社員に遭遇したことがあるが、それではメッセンジャー。社員だったら、それをうまく相手に伝えるのが仕事なんだけどね。 4月29日記 このコーナーの表紙に戻る |