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2010年4月10日林家たい平柳家喬太郎二人会(北千住シアター1010)

 開口一番前座さんは春風亭昇々『一目上がり』。頑張ってね。

 林家たい平がマクラで爆笑を取って行く。「こぶ平が正蔵になり、しゅう平が三平になり、やっぱりひらがな交じりの名前よりも漢字二文字の方がいいなと思いまして、私もたい平から漢字だけの名前に替えてもらおうと思いまして、おかみさんに相談しました。そうしたら『いい名前があります』って。『どんな名前なんです?』って訊いたら、『二代目林家泰葉』」 ネタは『お節徳三郎(上)花見小僧』。仲がいいといい仲の違いを説明する番頭さんが、鯛焼きを例にして説明ところが、やけに可笑しい。かえってわかりにくくなってしまうのに。ふははは。

 二人会といっても、まさしく二人会という構成で、仲入りを挟んでふたりが一席ずつ。柳家喬太郎は高座に上がるとマクラも何もなしでスッと『お節徳三郎(下)』に入る。なにかギャグなんじゃないかと思ったお客さんから笑いが起こったが、どうやらマジで下に入ったと知ると水を打ったように静かになり噺に聴き入って行った。ふたりが入水心中をしたところで噺が終わると盛大な拍手。「ここで終わってしまってもいいんですが、若い女性がこんな噺を聴いたあとに千住大橋から飛び込まないともかぎらないので、もう一席」 ここでも大きな拍手が来るや、「あっ、きっとがっかりするよ」 そのあと爆笑のマクラが続く。「あのー、怒ってます?」もいつもの喬太郎だなあ。ようやく『午後の保健室』に入っても、人物のひとりに「しかしなんだな。少し反省しているのは、あそこで止めておいた方が良かったんじゃないか。せっかく作った人情噺の空気を自分で壊しちゃったな」 いつものサービス精神いっぱいの喬太郎だった。

5月1日記

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