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客席放浪記

2011年10月21日 たい平喬太郎二人会(かめありリリオホール)

 まずは三遊亭楽大が高座に上がる。円楽一門の彼がなんでここの高座に上がるのか不思議な気がしたが、『笑点』がらみなのかな。ネタは『道具や』

 林家たい平は軽い前置きみたいなマクラから、スッと『らくだ』へ。この噺は屑屋さんが酒を飲んで豹変してしまうところが見せ場。そこをみせたかったのだろうか、前半部で省略できるところはできるだけ刈り込んでいるなあという印象。アニぃが屑屋に酒を飲ませるところから、たい平らしさが炸裂しはじめる。

 「人が優しく言っているうちに飲めよ」と凄むアニぃに、一杯目「優しくって、優しくないですよ。優しく言いましょうよ」 二杯目「せっかくおいしく飲んでいるんだから、その顔! 優しい顔しましょうよ」 三杯目「飲むなら楽しくやりましょうよ」 このあたりから形成が逆転しだす。

 「みんな寂しいのよ。生まれてくるときもひとり。死ぬ時もひとり。あんたもさあ、寂しいんだよ。寂しいからそんな仲間と一緒になって悪さするんじゃない。やめなよ、そんなの」 「オレは寂しくなんかないぜ」 「いや、寂しいんだろ、これからオレがおまえの友達になってやる。いや、おまえのアニキになってやる。だから『アニキ』と呼んでこの胸の飛び込んでおいで」

 このへんの作り変えがいかにも、たい平なんだなあ。

 仲入り後、喬太郎の前に、林家あずみが高座に上がる。一応林家たい平の弟子という形を取っているが、別に寄席で前座修行をしているわけでもなく、落語はやらずに三味線漫談をやっているらしい。「京都出身で、舞子さんに憧れていました。舞子さんになるには条件がいくつかあります。一つ目、結婚していないこと。二つ目、身長160cm以下であること。ここまでは昇太師匠も当てはまります。問題はここから。三つ目、女であること。四つ目、17歳以下であること。これ全部私に当てはまるんですねえ。えっ? なにが可笑しいんですか?」と、『祇園小唄』『ぎっちょんちょん』『とんとんとんがらしの子』『茄子とかぼちゃ』を聞かせてくれた。カワイイねえ。

 柳家喬太郎は、三遊亭白鳥の『任狭流山動物園』。この噺、案外喬太郎に合っているから驚きだ。基本、白鳥のものを崩してはいない。最後に浪曲になるところまで忠実に持って来ている。あとは、喬太郎らしいギャグの入れ方と、演出上に工夫が見られるところ。それに動物の所作が、より巧みになっているところが、喬太郎らしい『任狭流山動物園』になっていると思える。なんだか恥ずかしがってこの噺をやっている姿も、彼一流のクスグリで、実は自信を持って確信的にやっているのではないか。喬太郎によって生まれ変わった『任狭流山動物園』、私は支持するなあ。

10月22日記

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