直線上に配置

客席放浪記

2012年1月26日シベリア少女鉄道スピリッツ『太陽は僕の敵』(座・高円寺1)

 19時35分開演、21時10分終演。

 何回も書くようだが、この劇団、いい意味で芝居を舐めている。私なんかはそこが好きなんだが、怒りだす人もいる。出来不出来もあり、私でも失望することがあるのだが、構成がうまく決まって「おおっ!」という芝居もあるのだがら、目が離せない。

 芝居の前半は後半への前振りになっていて、それが最後に明かされた時のくだならさに唖然とさせられることが多い。ここで評価が分かれてしまう。怒りだす人も多い。ケタケタ笑っている人もいる。

 このところ年一回、年の始めに、お年玉のように公演がある。去年の『もう一度、この手に』は、短編オムニバス・コントと見せかけておいて、途中から、「あらあら」ということになる手の込んだ仕掛けだったが、今年の『太陽は僕の敵』は、いわばストレート直球勝負。

 それはいいのだが、最初の一時間は正直言って辛かった。ついウトウトしてしまう。なにしろ舞台の照明が暗い。実はそれもこの芝居の狙いなのだが、これまた確信的に演じられる「なんだかなあ」という演技と共に、いいように、おかしな芝居を観せられることになる。アラビアンナイトの世界の中、お姫様や盗賊やらが洞窟の中を探検して行くという芝居が、いつまでも続く。登場人物たちが、必要以上にチョコマカと動いてオーバーな動きをするのだが、これも伏線だった。

 一時間ほど経過したところ、「待たされたなあ」という気分になっていたら、舞台の照明が突然明るくなる。「ははあ、これがやりたかったんだ」と、解る人は解る。おそらく解らない人は解らないだろう。私はなんとなく解った。このオチとなるネタは書いてしまうわけにはいかないが、ポケーっとなってしまう人の方が多いのではないか。「これだけ引っ張っておいて、これだけの金かけて、これかよ」だろう。

 私も、今回はやや失望。来年を楽しみに待ちますか。

2012年1月27日記

静かなお喋り 2012年1月26日

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置