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2010年5月15日『裏切りの街』(PARCO劇場)

 明らかにポツドールを見に来る客層じゃない人が混じっている。私の隣は上品そうな中年のおばさま三人組。PARCO劇場のものなら間違いなかろうと思ってやってきた風情。始まって腰抜かすなよと思う。

 開演前の音楽も岡村靖幸の『セックス』ではない。つまりあくまでこれはポツドールとしての公演ではないのだなと思っていると、開演しての最初のシーンは女性のあえぎ声。男(田中圭)が自室でテレホンセックスをしている。どうだ、びっくりしたか。

 出てくる人物は例によって、ほんとしょーもないダメダメ人間ばっかり。今までのポツドールでは登場人物がみんな若者だったのに対し、『裏切りの街』には、松尾スズキ、秋山菜津子の中年の夫妻も登場する。これは新機軸。でもダメダメ夫婦。

 そして今回は自分の感情を爆発させてしまう人物が少ない。静かに静かにダメダメに陥ってしまっている。不倫関係にある田中圭と秋山奈津子が「私たちってダメ人間ですね」と言い合うところが印象的。

 ストーリーをよく考えると、どうってことない男女のもつれの話なのだが、それを3時間引っ張るのはさすがに三浦大輔。

5月26日記

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