2011年8月5日から7日 5日(金) 夕方、母のところに顔を出す。帰りがけに受付へ行って事務手続きをしてから、ケアマネージャーさんに、しばし最近の母の様子を聞く。リクレーションにも参加して顔色もいいとのこと。つくづく順応性のある母に感心してしまう。 帰宅して仮眠を取り、東銀座へ。夕食をどこで食べようかと歩くうちに、[蘭苑菜館]へ。ここはもちろん中華料理店なのだが、店の外に出ていたメニューで、シンガポール夏野菜カレーライスというのが気になった。830円。ココナッツミルクを使った、いかにもマレーシア、シンガポール風のカレー。一口食べても、まるで辛くない。サドンデス・ソースをかけて食べる。最初はこわごわ。やがてバシャバシャかけたら、辛ーい! [蘭苑菜館]近くの銀座シネパトスの梶芽衣子特集で『曽根崎心中』を観るのが今夜の目的。20時10分の最終回を観るためにチケット売り場へ5分前に行けば、「お立見ですが」との返事。「えっ」と思ってしまった。20時10分が立見なんて信じがたいことだが、ここまで来てしまって観ないで帰るのもなあと思いチケットを買うことにした。「1500円です」の店員の声。そんなバカな。梶芽衣子特集は二本立てで1300円。最後の一本だけなら800円でいいと明記されているではないか。なんで?と思いつつも1500円で立見の入場券を購入。映画館に入ると確かに満席。しかし前方に、関係者席と書かれたカバーの席がたくさんあり、ほとんど空席。「関係者席?」と思ってピンと来た。チラシを確かめるとトークイベントのある日は1500円なのだと書いてある。 「こ、これはひょっとして」の予感が当たってしまう。関係者席が来なければ座って観られると思って前の方に陣取っていたら、立っていたすぐ横のドアが開いて、梶芽衣子本人が入場してきてスクリーンの前に立つ。当年64歳だが、さすがに女優さんだ。身体の線が崩れていない。ジーンズにグレーで統一した服装はラフだけれどオシャレ。 今回は、発売になったニューミニCDアルバム『あいつの好きそなブルース』の宣伝も兼ねての舞台挨拶という形か。このCD、『曽根崎心中』の相手役、宇崎竜堂がプロデュースしている。『曽根崎心中』以来33年ぶりに宇崎に会ったそうで、「なんで33年電話一本して来なかったの」と言われたそう。なにしろ『曽根崎心中』に出るにあたって、相手役を友人の宇崎竜堂を推薦したという話が残っているくらいだから。 帰りも私のすぐ目の前を通ってドアの向こうに消えていった。この至近距離でナマの梶芽衣子が見られれば1500円払っても損した気がしない。イベントが終わると帰る客が多くて空席が出来た。 『曽根崎心中』については、書きたいことがあるので、いずれ別のページで書きたいと思う。 帰りがけに、梶芽衣子のCD『あいつの好きそなブルース』を梶芽衣子のサイン入りポートレートのオマケ付で購入。 6日(土) 6時起床。テレビ体操をして、洗濯、掃除のあと朝食。内科の診察へ行ってから、買い物数点。 地下鉄で中野へ。[俺んち]で、すずきの照り焼き定食700円。 中野ザ・ポケットで、ブルドッキングヘッドロック公演『毒と微笑み』マチネ。申し訳ない。こちらの体調の問題もあったのだろうけど、2時間40分ほどあるこの芝居、かなり寝てしまった。 JRで有楽町に出て本を何冊か買い、きょうも銀座シネパトスで梶芽衣子特集。『女囚701号・さそり』は、伊藤俊也監督デビュー作。新人監督らしい才気溢れる映像が面白いのだ。当時、その斬新な映像を批判した人も多かったけれど、やはり面白いよ。三原葉子が歌舞伎みたいなメイクになってしまうところは、さすがに「うーん」となったが、これもいいんじゃない? 『女番長野良猫ロック』も久しぶりに観た。新宿西口あたりの未開発の風景が懐かしい。梶芽衣子らがたむろするライブハウス(?)にバンドが出ている。モップス、オックス、オリーブ、それにアンドレカンドレ時代の井上陽水。GSからロックへの過渡期の映画でもある(1970年)。モップスだけはロックしている。オックスとオリーブはまだGS。映画音楽は、あいかわらずジャズ。流れる曲を全てロックにしてしまっていれば、今から観ると、もっと面白かったろうに。 帰りがけにコンビニで、おにぎりを2個とペットボトルのお茶を買って、それを夕食にして、テレビを観るうちに眠くなり、眠りに就く。 7日(日) 8時起床。トーストとコーヒーの朝食のあと、母のところに顔を出しに行く。コーヒー好きの母にコンビニで缶コーヒーをお土産にしようと、方々のコンビニに入ったのだが、冷たいのはあっても温かいのがない。母は夏でもアイスコーヒーは口にせず、ホット、しかも砂糖なしのブラックが好み。以前は夏でも温かい缶コーヒーをコンビニで売っていたはずなのだが、何軒目かで「この時期、温かい缶コーヒーは無いですよね?」と訊いてみると、「無いわけじゃないんですが、今年は節電で温かいコーヒーは中止しているんです」との返事。節電のツケはここにも来ているのか。 それでも母は、無糖のアイスコーヒーを「おいしい」と言って飲んでくれる。母に事情を説明し、「今度は家でコーヒーを入れてポットに入れて持ってくるから」と約束をする。 帰宅して明日の仕込み。 昼食は、持ち帰りの寿司で、あじとホタテを買って食べる。 下北沢、ザ・スズナリでサスペンデッズ『g』マチネ。これは面白かった。ヤバい商売で一攫千金を狙う男、そんな男にダメだと知りながら惹かれいってしまう女、女性に持てない以前に自分に自信が持てない男など。ダメ人間が出てくるが、それでも最後は生命の賛歌で締めくくる。1時間30分。ちょうどいい。 銀座へ出て、スバル座でフランスのサスペンス映画『この愛のために撃て』。こちらも1時間30分無い。日本語タイトルが言葉にするのが恥ずかしいが、退屈させない佳作。ラスト5分のエピローグもいい。 帰りにパン屋の割引でBLTサンドを買い、ビール開けて夕食。 8月8日記 このコーナーの表紙に戻る |